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船橋の図書館で太宰治生誕110年記念展示「太宰治と船橋」 佐藤春夫宛の直筆書簡など

展示の一部

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 西図書館(船橋市西船1)2階ギャラリーで6月14日、太宰治生誕110年記念展示「太宰治と船橋」が始まった。

佐藤春夫宛の書簡

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 1935(昭和10)年7月から1年3カ月の間、療養のため船橋で滞在していたという太宰は、自身の回想記『十五年間』の中で「私には千葉船橋町の家が最も愛着が深かった」と「船橋愛」を語っている。

 会場では、太宰が船橋でゆかりのあった場所を地図上に示し、当時の船橋の街並みを振り返るパネルや、船橋の自宅案内図入りはがきと当時の地図を展示するほか、「晩年」「ダス・ゲマイネ」など船橋時代の作品も紹介する。

 「太宰治交友禄」コーナーでは、太宰の交友関係を注釈付きの相関図で展示する。

 同館企画担当者の阿部崇宣さんは「太宰が船橋とつながりがあったことを紹介したい。文豪というと堅いイメージがあるが、面白いエピソードやあまり語られていなかったことを少しでも見せることで、太宰を知らない人たちにも親しみを持っていただけるよう企画した」と話す。

 展示では、実践女子大学文芸資料研究所の協力で、近年見つかった太宰の直筆書簡など貴重資料7点を展示。太宰が師事した作家・佐藤元春に宛てた書簡も展示する。阿部さんは「特に、長さ4メートルの巻物状の書簡は、初日に来場された方々もその長さに圧倒されていた」と話す。

 このほか、現代の横浜を舞台に、太宰治、芥川龍之介、中島敦など実在した文豪たちをキャラクター化し、それぞれの作品になぞらえた能力を使って活躍する漫画「文豪ストレイドッグス」の関連ポスターなども展示する。阿部さんは「作中に登場する小説の貸し出しも行う。読書離れが進んでいるといわれる10代にも名作に触れるきっかけとなれば」と話す。

 開館時間は9時30分~20時00分(土曜・日曜、祝日は17時まで)。6月24日休館。7月10日まで。

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