暮らす・働く

船橋に視覚障がい者グループホーム「イーハトーブ」開設 入居者の自立を支援

右が社長の澤瀨さん

右が社長の澤瀨さん

  • 90

  •  

 視覚障がい者を中心に、訪問介護、障がい者総合支援事業、研修事業を行う「あじさい」(習志野市東習志野5、TEL 047-409-6617)が10月1日、主に視覚障がい者を受け入れるグループホーム「イーハトーブ」(船橋市三山9)を開設した。

グループホーム「イーハトーブ」外観

[広告]

 木造2階建て65坪の新築一戸建てのグループホームは男女で玄関が分かれ、1階が男性、2階が女性で各5室。各階にトイレ、洗面所は2カ所ずつ、浴室、キッチンは1カ所ずつ設置。

 部屋が明るく見えるよう壁紙の色を1面変えるなどの工夫を施し、各居室や共同フロアには火災に備え火災探知機、スプリンクラーを設置している。視覚障がい者はラジオ、スマートスピーカー、パソコン、テレビなどコンセントを使う数が多く、各居室のコンセントの数も6~8個設置している。Wi-Fi、冷暖房完備、盲導犬も入居でき、24時間365日世話人が常駐する。現在20~60代の入居希望者が見学に訪れるという。

 社長の澤瀨康子さんは「視覚障がい者は簡単に家を借りられない。ここでは、自立をサポートし、料理や掃除も一緒に行い、居室だけでなくホームの共同部分の掃除も入居者が順番に行う」と話す。

 「イーハトーブ」は宮沢賢治の童話作品「銀河鉄道の夜」の中に出てくる造語で「心象世界中にある理想郷」を指す。「こだわりはあえて普通の家のように作っているところ。点字が必要なら自身で付けたらいいし、ベッドか布団で寝るかなどは入居者自身の理想の暮らしに合わせればいいと思っている。それぞれの『理想郷』を作ってもらえたら」と笑顔で話す。

 玄関から道路まで点字ブロックを敷設し、玄関には入り口を知らせる盲導鈴を付け、入居者が帰宅時、分かりやすい工夫をする。

 澤瀨さんは「入居者には規律を守ってもらい、快適に過ごしてほしい。掃除をしないとほこりがたまりコンセントから火災が発生することなども伝え、自分のことは自分でできるようにしていく」と話す。「今後は近隣の住人との交流や家族との交流もしながら、安心して暮らせる場所にできたらと思っているので、気軽に見学にきてほしい」とも。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース