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東中山のラーメン店「とものもと」、難病乗り越え夫婦で再スタート

店主の市原さんと妻の美穂さん

店主の市原さんと妻の美穂さん

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 昨年7月下旬から休業していたラーメン店「とものもと」(船橋市東中山2、TEL 047-333-5556)が3月1日、通常営業を再開した。

とものもとのラーメン

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 同店は昨年3月にオープンしたが、7月下旬に店主の市原朋宏さんが体調を崩し、国の指定難病「成人スチル(スティル)病」と診断され、3カ月の入院を余儀なくされた。病気による筋肉の低下、痛み、薬の副作用と闘いながらも毎日ラーメンのことを考えていたという市原さん。「死ぬかもしれないという状況の中でも、ラーメンを作りたいという思いが一番強かった」と振り返る。

 入院中はラーメンのことをとことん考え、店の雰囲気づくりやメニューを試行錯誤、水やアミノ酸、舌や後味、温度の感じ方などさまざまな角度から勉強し、前向きに夢を持ち続けていたという。

 11月に退院し、その後は通院とリハビリをしながら営業再開に向けての準備を進め、今年の1月31日、190日ぶりに営業を始めた。2月は数日のみ営業し、3月1日から通常営業を再開した。

 3月1日には開店前から多くのファンが駆け付けた。開店時間の18時には市原さんと1月に結婚した妻の美穂さんが2人でのれんをかけ、「復活しました。お待たせしました」と笑顔であいさつ。来店客からは大きな拍手が送られた。松戸から来店した男性客は「ラーメンの味はもちろんのこと、店主の人柄が最高なので今日は本当にうれしい」と話し、11月のイベントがきっかけで来店した近隣の男性客は「すっかりファンになった」と話した。

 休業前は「近所の人が毎日食べられるようなラーメン」をコンセプトに作っていたが、復活後は「遠くから来てくれるお客さまのためにも、満足してもらえるようなラーメン」にコンセプトを変更。スープは各種ミネラルをバランスよく含むという「π(パイ)ウオーター」で名古屋コーチンを炊き、鶏のうま味と香りを凝縮、さらに貝だしを加え3種類のしょうゆをブレンドしたものを使っている。

 メニューは、「醤油(しょうゆ)らーめん(750円)」と、醤油らーめんにワンタン3個と味玉が付いた「特製醤油らーめん」(950円)、「紅孔雀(べにくじゃく)卵かけご飯」(200円)を用意する。

 営業再開後は美穂さんと2人でカウンターに立つ。「妻がいろいろと周りを見て気がつく人なので、自分はラーメン作りに集中できる。近くにいてくれるので気持ちも楽だし、本当にありがたい」と市原さん。「ただひたすらこの場所で一生ラーメンを作りたい。願いはそれだけ」と力強く話した。

 営業時間は18時~22時。土日定休。体調に問題がなければ、4月から土日に昼の営業も行う予定。詳細は店主ブログで確認できる。

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