京成船橋駅前の居酒屋「菊正宗の酒蔵」が4月中旬に閉店し、同30日、新店舗(船橋市本町4、TEL 047-406-3306)での営業を始めた。
その日の仕入れからメニューを考案、手書きでメニューを作成(関連画像)
同店のオープンは約50年前。今回は、京成船橋駅前の再開発を受けて入居していたビルが建て替えになることから新しい場所での営業に踏み切った。新店舗は36席のうち7席がカウンター席。
開店当初から「菊正宗」を看板に掲げ、日本酒は菊正宗だけを置いている。菊正宗に合う料理を提供してきた同店。「端麗辛口、刺し身でも揚げ物でも何にでも合うから」と、魚や貝類を中心に千葉市の中央市場や船橋市場から仕入れ、多少値が張っても鮮度の高いものを提供するという。
毎日の仕入れに左右される鮮度の高いメニュー構成のため、大将の平野征夫(ゆきお)さん(70)が、その日の仕入れから「本日の特におすすめ」メニューを考え、手書きでメニュー表を作成する。
「当店では、日本酒の燗(かん)は、全て湯煎して温度計で管理して提供している。湯燗だと酒の香りを引き立て、やわらかさが出るので」と、高校卒業から同店で修業してきた3代目の平野平(たいら)さん(37)。「船橋で生まれ育って船橋で働いてきたので船橋以外での営業は考えていなかった」と、移転場所について話す。
旧店閉店から新店開店までの準備期間は、わずか10日間。以前の店よりも「大衆」の雰囲気が薄れ、しゃれた雰囲気の店内になったが、「本当においしいものを食べてもらいたい。本当の刺し身を提供したい」という姿勢は貫いている。
営業時間は17時~22時。日曜定休。