船橋駅南口近くの路地に2月26日、大衆酒場「増やま」(船橋市本町4、TEL 047-425-5586)がオープンした。
店主の村田良介さん(35)は、船橋で酒飲みに愛されている老舗の大衆酒場「一平」で5年間修業し独立。店名は、子どものころに友達と通った本町の駄菓子屋「増山」から。子どものころのように、みんなが集える場所になってほしいという思いから名付けたという。
村田さんはDTPオペレーターとしてデザイン会社に勤務。30歳を前に独立を考え、行きつけの店で一番のお気に入りだった一平で働きたいと、大将に頼み込んだ。初めは許可されなかったが、根気よく交渉を続けるうち、本気が伝わり受け入れてもらえたという。
仕事として料理をするのは初めてだった村田さん。一から仕事を覚えていくうちに5年がたった。独立に向け毎月の給料から一部を資金として蓄え、無借金で開業した。
開店にあたって、一平時代の後輩、萬田優生さん(24)に声を掛けた。別の会社に就職していた萬田さんだが、「村田さんと過ごした日々を思い出し、すぐに退職した」という。
メニューは、焼きさば、イカ焼き、赤ウインナー、イワシ焼き、イカ納豆(以上250円)など、本日のおすすめも合わせて92品。全て価格を200円~350円に設定し、「メニューの多さと安さに驚くお客さまが多い」という。
酒は焼酎(各300円)、ビール(生=300円、瓶=500円)、日本酒(250円)など一通りそろえ、「都内ではよく見かけるキンミヤ焼酎(ボトル=1,200円)が一押し」と、村田さん。「船橋にキンミヤ焼酎を広めていきたいと、無理を言って仕入れている。飲みやすくて翌日に残らない」とも。
大衆居酒屋をこよなく愛する村田さんには3つの信条があった。「毎日通える価格であること、料理を早く出せること、1人でも入れること。この3つが大衆酒場には欠かせない」と村田さん。「安くて早いだけじゃなくて、味も良くないといけない。そこそこうまい料理を出している自信はある」と笑顔で話す。
営業時間は14時~23時。3月中は無休、4月以降は火曜定休の予定。