「ときわ書房船橋芝山店」(船橋市新高根1)が2月7日、約20年の営業に幕を下ろし、店頭に掲げられた「いつかまたこの街で!」というメッセージが話題になっている。
新高根近辺で営業する唯一の大型書店だった同店。当時店長だった森田さんは、「とにかく地域の皆さんに支えられた書店だった」と振り返る。
同店の顧客は近隣住民が多く、中には毎日欠かさず来店する客もいたという。付近の高根東小学校、高根中学校、船橋東高校などの学生たちでにぎわうこともあり、「お客さんのほとんどが顔見知り、アットホームで家族のようだった。外を歩いていると『店長元気?』などと声をかけられることもしょっちゅうだった」と森田さんは笑う。
閉店することが決まった際、「文化教養を高めるために近くに本屋が必要、やめないで」「ここがなくなるのがつらい」など閉店を惜しむ声が寄せられた。近隣の学校からの依頼で書店員体験も受け入れており、体験した生徒からは「とても楽しかったので将来働きたいと思っていた。すごく残念」などと書かれた手紙が届いたという。「ギリギリまで何とかしたいという気持ちがスタッフ全員にあった」と森田さん。
現在、閉店した店舗先に「いつかまたこの街で!」というメッセージが掲げられている。同店を愛した来店客へのお礼と芝山店復活への希望を込め、スタッフ全員で考えたという。
「あらためて地域の皆さんに愛されていたんだと感じた。さようならではなく、『いつかまたこの街で』という言葉をあえて選んだ」と森田さん。現在、具体的な再開の見通しはないとしつつ、「またいつかこの場所で、地域の皆さんに愛される芝山店を復活させたい」と、力強く話す。