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船橋で在宅ホスピス協会全国大会-作家・柳田邦男さん講演も

船橋で在宅ホスピスの全国大会が開催されるのは今回が初めて

船橋で在宅ホスピスの全国大会が開催されるのは今回が初めて

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 セミナーハウスクロスウェーブ船橋(船橋市本町2)で9月1日から2日にかけて、日本在宅ホスピス協会が主催する「在宅ホスピス協会全国大会」が行われ、約250人の医療・介護などの関係者が参加した。

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 同大会は、地域包括で支える在宅ホスピスケアをテーマに、「最期の時を自分の家で自分らしく過ごしたい」という患者の思いを実現させるために、志を同じくした医療・介護関係者らが各地で実行委員会を組織、毎年1回開催されている。

 今回の船橋大会は、NPO法人ピュア代表で船橋地域福祉・介護・医療推進機構の理事でもある藤田敦子さんが実行委員長を務めた。主催は同実行委員会で、船橋大会の共催に「船橋地域福祉・介護・医療推進機構」。

  大会は8月31日のウエルカムパーティーを皮切りに、9月1日の講演と分科会、2日の市民公開講座の3日間の日程で行われた。31日は、翌日の分科会に参加するため に前日入りした同協会の会員同士がパーティー会場で本音で語り合った。1日に行われた3つの教育講演会では、実際の現場における「在宅緩和ケア」に関する実例を紹介した。

  分科会では「一人暮らしや介護力の低い人を地域の力で支える」「医療的ケアのある人を支える-法制化を踏まえて-」「がんターミナル期の褥瘡(じょくそう)ケアの在り方を考える」「在宅ホスピスにおけるリハビリテーション」の4つのテーマに沿って、各4人ずつ計16人の講師が現場の事例を紹介した。

 3日目の市民公開講座では、ノンフィクション作家で評論家の柳田邦男さんと、日本在宅ホスピス協会会長の小笠原文雄さんによる講演「いのちの不思議さ-家をホスピスに-」が行われた。

  柳田さんは講演の中で「『死を宣告される』などのように、人生観を変えたくなるような出来事」が起きた時に必要な力は、「生きなおす力」であるとし、亡き母の人生観を例に挙げ「仕方なかんべぇ」「何とかなるべさぁ」「いつかは楽なときが来る」と「生きなおす力」について説明した。「生きなおす力」は、時に「書く」ことや「語る」ことで、「自分の人生に脈絡をつけ」、「人生という物語を生きている」ことを「客観視し見つめなおす」ことだとした。

  最後に、「在宅死」と「病院死」を比較し、前者には「人生の連続」があるためギリギリまで自分の人生を自分らしく生きられるということを確認できるとして、後者にはそれがないとした。そこに「生きる意味」があることで「志」を高く持ったまま、最後まで生きることができるという。

  小笠原さんは、「往診」と「在宅医療(家族ケア)」、「在宅緩和ケア」「在宅ホスピスケア」を比較し「ケア」の中にある「何となく温かいもの」が、「生きる希望」をみなぎらせるもとである話した。実際に余命5日と診断されたが現在まで4年もの間健在でいる女性の例を挙げ、「笑顔でいると免疫力が上がる」とも。

 「命の不思議さ」について、これまで在宅医療に23年間関わってきた中で出会ってきた患者の例を紹介しながら、最期の時に「在宅緩和ケア」を選んだ患者が、「一人寂しく死んだという例がない」と結んだ。

 来年の「第16回日本在宅ホスピス協会全国大会」は、浜松市で行われる。

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