
船橋市役所1階ロビーで現在、市立船橋高校野球部の夏の甲子園出場を記念した写真展が開かれている。
写真は市広報課が県大会の準決勝から取材し、一試合ごとに約600枚を撮影した写真の中から「厳選した」20枚を展示している。
展示している写真には、千葉県大会決勝の延長10回タイブレークでの逆転サヨナラ勝ちを決めた時の様子や、甲子園での熱戦、緑の応援団で染まったアルプススタンドなど、市船野球部の奮闘が詰まっている。
撮影を主に担当したのは、広報課の永井俊平さんと吉田倫子さん。2人はもともと全く異なる部署から広報課に異動してきたという。永井さんは市への入職8年目、吉田さんは7年目だが、広報課に配属されてからは、それぞれがほぼ3年目という2人。撮影については先輩から現場を通して教わり、広報課としてさまざまな取材にも出向いている。
市船野球部の撮影では1塁側と3塁側に分かれ、炎天下、約4時間にわたってシャッターを切り続けたという。
中でも吉田さんが「一押し」と話すのは、決勝戦で顔面に死球を受けながらも再び試合に戻り、勝利に貢献した花嶋選手の一枚。「まさに『不撓(ふとう)不屈の精神』そのもの。特に、2塁上での雄たけびには、私も魂を揺さぶられた」とも。
吉田さんは昨年の県大会決勝も現地で取材していたこともあり、「昨年はサヨナラ負けで涙をのんだ。今年も似た展開で、ファインダー越しに息をのむほど緊張した。逆転の瞬間は目頭が熱くなった」と振り返る。
広報課としてさまざまな撮影を行い、情報発信を続ける吉田さんは「取材を通して、多くの人の船橋への愛を感じるようになった」と話す。永井さんも「いろいろなジャンルを取材するなかで、注目するポイントや見方が変わってきた。試合中も、『これは大変だっただろうな』と、背景を想像しながら撮影していた」と話す。
「市船ソウルが甲子園全体に響きわたったあの瞬間は圧巻だった。最後まで諦めずに戦い抜いた市船ナインの姿を、ぜひ写真展で体感してほしい」と吉田さんは呼びかける。
市役所開庁時間(平日8時30分~17時)内に観覧可能。8月29日まで。