「街じゅう音楽祭」の一環としてピアニスト・稲島早織さんによるコンサートが10月17日、船橋・海神町のカフェ「リントスカフェ」(船橋市海神町南1)で開催された。
当日は、クラシックやポップス、ディズニー楽曲などを織り交ぜたステージが披露され、来場者が「音楽と日常の融合」を楽しんだ。稲島さんのステージはトイピアノも取り入れた演奏が特徴で、子どもからお年寄りまで幅広い世代の来場者が耳を傾けた。
コンサートは稲島さんの2枚目のCD発売を記念して企画されたもので、各回30分の演奏を3回上演。15時からの回は子連れに特化したステージプログラムを提供した。
同店は、倉庫をリノベーションしたバリアフリー対応の複合施設で、席数は約30席。10月末でいったんカフェ営業を終了するとSNS上で発表しているが、今後はイベントや交流会などの際に使える場所貸しで地域に開放していく予定だという。
稲島さんは「カフェという日常空間で、非日常の音楽体験を提供したい」と話し、場の空気に寄り添った即興的な演奏も織り交ぜたという。
市内ではかつて、学校への楽器貸与制度が整備されていた背景があり、スクールバンド文化が根強く存在している。一方、音楽家が地元で継続的に活動できる場が少ないことも課題とされてきた。「街じゅう音楽祭」は、そうした環境の中でアーティストの活躍の場を広げるとともに、地域にある空きスペースを活用して「音楽のあるまちづくり」を進める土壌を育て、地域に根ざした音楽文化の醸成を目指す取り組み。