船橋豊富高校(船橋市豊富町)で10月30日、「上空指揮および警防活動合同訓練」が行われ、消防職員166人と同校生徒720人が参加した。
同校と船橋市消防局の主催で行われた今回の訓練。東京湾北部を震源とした大地震を想定し、建物倒壊などの被害が発生する中、同校校舎内に取り残されている30人の要救助者を救出するとういう設定で行われた。
地震災害発生時に迅速かつ安全な救出救護活動を行うため、船橋市消防局、消防団、危機管理課、医療センターDMAT(災害派遣医療チーム)、船橋東警察署が連携。パトカーや消防防災ヘリコプター、水槽車、はしご車、救急車など計1機・26台が訓練に参加した。
各所による情報収集が行われる中、初めに校舎4階に取り残された生徒を消防救助隊が校舎外壁から侵入し救助活動を行った。要救助者として訓練に参加した生徒は、それぞれ血のりのついた包帯やガーゼを体に当て、容体の違いに合わせて応急救護所に移動。容体の重い生徒から順番に救急車で搬送された。
グラウンドでは、がれきに挟まってしまった人を救助する訓練として小型工作車を投入。千葉市の消防防災ヘリコプターとの連携強化を目的とした「上空指揮訓練」を行い、同日は「おおとり」が訓練に参加。屋上に取り残された要救助者を救出した。
上空指揮訓練とは、ヘリコプターから市内の被害状況を把握し、現地の指揮本部に情報連絡するもの。これにより、関係各機関との円滑な連携による災害時の対応能力向上を図ることを目的としている。
船橋市ではこれまでも行田公園や日本大学理工学部を会場に消防防災ヘリコプターを使った訓練を行っており、今回で3回目となる。訓練に高校生が参加するのは市内初の試み。
「実際に体験してみて、隊員さんの意識の高さにびっくりした。安心して任せられると思った」と参加した生徒の一人。「自分たちも日頃から非常事態への備えをしておくことも大事だと思う」とも。