日本都市(船橋市藤原6、TEL 047-429-1560)が2月9日、馬込沢駅前に開設した千葉支社(藤原7)が、オフィスを横断するように道路が走っていることがブログやSNSなどで話題になっている。
同社は道路区画線や道路標示、土木工事や舗装工事を手掛ける会社。グループ8社、社員数130人、合計売上高18億円。千葉支社は、昨年同社が買収した「日本都市馬込沢ビル」の3~4階に入居している。3階部分を内勤事務や営業、請求業務などの事務所スペースとして、4階部分を従業員寮として使用。
事務所スペースは約234坪。会議室、トイレ、給湯スペースなどと、執務スペースを隔てる形でオフィスの中央に道路が走っている。対面通行の道路で執務スペースからトイレや給湯室に向かう際、道路を横断するには横断歩道を渡るようになっている。
オフィス内から道路をエントランス方面に歩くと、執務スペース入り口付近に直進と右折可能の道路標示が書かれている。全ての道路標示は本物の寸法を同比率で縮小、忠実に再現している。
「何となく左側通行をしてしまう。外出の前に『止まれ』の停止線で一時止まって『忘れ物はないかな』と振り返って考えるようになった」と総務担当の黒須和也さん。「自分たちがやっている仕事が、どのような仕事なのかを再認識するには、もってこいのデザイン」と社員からは好評だという。
施工とデザインを手掛けたのは文具大手のプラス。同社の「事業内容と機能性を両立させるデザインを」というニーズに対して今回の提案を行った。通常オフィスで使われる内装費の約2倍がかかったという。
「仲間と3人で道路の白線引きから独立した。創業の気持ちに立ち返って事務所のデザインを決めた」と同社の大原俊弘社長。「こういったデザインにすることで、自分たちのやっている仕事が市民を守っているという誇りを感じてもらいたかった」とも。
新事務所の開設に合わせて名刺デザインも新調。名前や肩書が明記された上半分と、電話番号などが書かれた下半分のスペースを仕切る線も道路。もちろん実際の道路のスケールをそのまま縮小して使っている。
船橋市内では同社ホームページやブログなどを通じて発信された情報が、フェイスブックやツイッターなどのSNSを中心として拡散。「学校の中がこんなだといいね」「交通公園みたいで楽しいね」「左側通行なんだね」などとコメントが殺到し話題を呼んだ。