船橋市民文化ホール(船橋市本町2、TEL 047-434-5555)で12月13日、船橋市内でも、千葉県内でも創立が最古となる市民吹奏楽団「船橋吹奏楽団」が創立60周年を迎え、89回目の定期演奏会を行った。
全国的にみてもトップクラスの歴史を誇る同楽団。1部では「国内外で音楽界をリードする船吹OBによる指揮で」と題して、同楽団OB指揮による演奏が披露された。
指揮棒を振ったのは、千葉県吹奏楽連盟理事長の新妻寛さん、チェコ・フィルやロシア・フィルでも指揮経験がある武藤英明さん、日本フィル出身で各地の大学で指導も行っている喜多原和人さん。
豊富な経験を持ち、日本を代表して世界各地で活躍する名指揮者よる演奏は、会場全体を感動させた。
同楽団OBで、法田中学校吹奏楽部を全国トップレベルのスクールバンドに育て上げた実績を持つ竹下美智男さんは「子どものころから憧れ、目標としてきた名指揮者がそろって指揮棒を振っている。ものすごくぜいたくな演奏会。年を重ねて、より完成した指揮に感動した」と興奮した様子で語った。
2部では常任指揮者の大塚哲也さんによる指揮で、「映画音楽でめぐる60年」と題し映画音楽を披露した。今年30周年を迎える「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が1作目では30年前を、2作目では30年後を主人公が訪れたことに関連付け、同楽団が今後も発展し続けることを象徴するような勢いのある演奏を披露した。
その後も映画音楽の名作を数曲披露し、最新作公開で世界中で話題を集める「スター・ウォーズ」のメーンテーマ曲で締めくくった。
定期演奏会を終えて、楽団メンバーの一人は「歴史はお金では買えないので、まずは60年前に船吹を作った創設者の箕輪たち、そして今につないでくれている現会長の船井たちに感謝。作るより続けることが大変、今の団員たちは食い逃げならぬ楽しみ逃げにならないよう、次につなげる責任があると思っている」と、60年の重みを感じながら、次世代への引き継ぎに想いを巡らせ、気を引き締めていた。