船橋市のご当地キャラクターとして知られる梨の妖精ふなっしーが監修し、同市内のクリニックが提供する「メディカルふなっしー」シリーズの売り上げから贈られた寄付で購入されたポータブルDVDプレーヤーが、千葉県こども病院(千葉県千葉市緑区、TEL 043-292-2111)で活躍している。
同シリーズは、ふなっしーの監修を受けて船橋駅近くの船橋ゆーかりクリニック(船橋市本町5)が販売している、ふなっしーが医療系衣装を着たライン。ナースに扮(ふん)したふなっしーが注射器にもたれかかっているデザインや、医師に扮したふなっしーが白衣や手術着を着こなし、ナース衣装のふなっしーと仲良く並んでいるものなど、かわいらしさが評判を呼んでいる。
販売開始から医療機関の売店や医療関係者が使う通信販売サイトのみで販売されてきたが、一般のファンからの要望も多かったため、一部を同クリニックの窓口やホームページで販売するなどして対応してきた。
グッズの寄付から同病院ではポータブルDVDプレーヤーを購入。「これまでにもDVDプレーヤーを貸し出ししていたが、224床の子どもたちには全然足りなかった。貸し出しても回転があまりにヘビーなのですぐに壊れてしまっていた」と、同病院の伊達裕昭院長。「今回ご寄付いただいたもので40台購入することができたので子どもたちに早速使ってもらっている」とも。
同病院は28年前に建立。最新設備の病院であれば液晶モニターやDVDプレーヤーなどは各ベッドに常設になっている場合が多いという。以前から患者の親から要望が多かったものの直接治療に関わるものではないため予算を割けず、長い間の懸念事項だったという。
同病院では、早速子どもたちの要望に合わせて購入したDVDプレーヤーの貸し出しを開始したが、40台がほぼフル活動しているという現状だ。この日病室に面会でやってきた20代の母親は「DVDを見ていてくれると寂しさも紛れるようで良かった。ずっと付きっきりでいられないこともあるので…。今日は子どもの好きなキャラクターを見せながら一緒に時間を過ごしている」と話した。
ふなっしーグッズの多くは制作時に「子どもたちの将来に役立つ機関への寄付」が約束されている。寄付先は多岐にわたるが、ラピート(東京都台東区)などのように製造元で販売元でもある会社がしっかり管理して寄付を振り込んでいる。
メディカルふなっしーのラインは、千葉県こども病院への寄付に回ることが約束されていたが、同病院が県立病院であるため、一般の医療機関のように現金による寄付ができなかった。
「当初、簡単に寄付ができるものと考えていた。回り道になったが今日子どもたちの笑顔を見たら苦労も吹き飛んだ」と、ゆーかりクリニックの寺田伸一院長。「これからもどんどんグッズを販売して、多くの子どもたちのために寄付をしていきたい」と思いを話した。