船橋市役所で3月30日、障がい者雇用について優れた取り組みを行っている事業所への表彰制度「第2回ふなばし・あったかんぱにー」に選ばれた3社の表彰式が行われた。
同制度は2015年4月に創設され、障がい者雇用に積極的に取り組む事業所を募集し、優良事業所として認定し表彰する。市内に事業所を有すること、常勤雇用者が300人以下であること、法定雇用率2.0%を達成していること、労働関係法規を順守し公序良俗に反する事業を行っていないこと、過去5年以内に本事業の表彰を受けていない事業所という5つの条件を満たした企業が対象。従業員50人未満の事業所については、障がい者を1人以上雇用していることも条件に含まれる。
2015年6月1日時点での船橋市内の法定雇用率の達成企業は、164社中82社で50%。
今回表彰されたのは、介護事業を行う健恒会(船橋市金杉、障がい者雇用人数=3人)、レビー・ケア(上山町1、同4人)、新聞販売業のキヅキ・サービスステーション(二和東2、同2人)の3社。
特別養護老人ホームを運営する健恒会は、人材不足対策のため10年前に特別支援学校に赴き職業体験の受け入れを行ったことがきっかけだった。現在働いている3人はパート勤務だが、うち1人は正社員になる予定だという。「3人とも欠かせないポストに就いてくれ感謝している。個性を生かし、適材適所で働いてもらえる取り組みを広めていけたら」と同会の細野隆也理事長。
有料老人ホームやグループホームの運営をしているレビー・ケアでは障がい者の雇用に当たり、受け入れ側の準備に力を入れたという。障がいのあるスタッフに説明を理解してもらうため、病気の特性の理解や、仕事の説明の仕方などについて社内で勉強会を行うなどスキルアップを図った。「障がい者雇用はトップがどのような方針かが重要。あたりまえのことも涙を流して喜んでもらえるなどこちらもプレゼントをもらった」と同社の吉橋准子社長。
新聞販売店のキヅキ・サービスステーションでは、3年前に始めた特別支援学校の体験実習をきっかけに障がい者を雇用。受け入れ側の社員教育にも力をいれ、「初めは地域貢献のつもりで受け入れたが、彼らがいることで社内も穏やかになる、甘やかすのではなく同等の立場まで引き上げたい」と同店の城築武志社長。
船橋市は3社の取組事例を「広報ふなばし」や市のホームページで周知し、障がい者雇用促進の啓発を行っていく。