京成船橋駅からすぐの場所にある「アロハ・グランドテラス船橋」(船橋市本町4、TEL 047-779-1439)で2月17日、荒石かつえさんの「久留島武彦文化賞」受賞を祝う会が行われた。
久留島武彦文化賞は、「おはなしの父」「日本のアンデルセン」と呼ばれる近代児童文化の開拓者の一人である久留島武彦の残した大きな業績を記念し、日本青少年文化センターが1960(昭和35)年に制定。青少年文化の向上と普及に貢献した人に贈り、さらなる発展に寄与しようとするもので、候補となる個人や団体を自薦あるいは他薦で募り、その中から顕彰する。
荒石かつえさんは北海道釧路市出身。1987(昭和62)年から船橋市で暮らし、子どもたちに民話の楽しさを伝える語り部として長年活動。市内だけでなく、沖縄の子どもたちへの紙芝居や民話の語り、大学での民話の紹介など、多方面での普及活動も続けてきた。今回、荒石さんが運営委員をしている「日本民話の会」が推薦し、功績が認められ受賞に至った。
祝う会は、同会代表で、日本口承文芸学会で理事を務めるなど同学会の第一人者でもある米屋陽一さんをはじめ、「日本民話の会」「船橋の民話をきく会」の会員の呼び掛けで開かれた。
米屋さんは、荒石さんとの出会いについて振り返り、「全国民の中で船橋市民が選ばれたことを誇りに、また一つ船橋の財産が生まれた」と祝辞を述べた。荒石さんは「私がもらった賞というよりは、みんなの活動が認められて頂けた賞なので、とてもうれしい。『日本民話の会』『船橋の民話をきく会』『船橋民話フェスティバル連絡会』で市内の小学校に語りに行っている仲間、紙芝居『ちゃりんこ』の仲間、家族、支えてもらったみんなでもらった賞」と話した。
歓談後は、歌うバンジョー弾きの永生元伸さんによるバンジョーの演奏や、荒石さんによる「ドジョウすくい」の披露があった。
本年度の同賞は、団体では人形劇で活動する「ぽんぽこ劇団」(三重県)、個人では荒石さんのほかに、絵本作家・紙芝居作家の長野ヒデ子さん(神奈川県)も受賞した。