船橋市が4月28日、新型コロナ患者治療対策として「船橋第一ホテル」(船橋市湊町2)を借り上げ、30日から軽症状・無症状者用の受け入れを行っている。
5月1日現在、船橋市の感染者数は115人。退院者もいる一方、27日発表の市内医療機関の入院患者数は53人、うち軽症者は45人となっている。陽性で自宅待機している人は44人で、 県では一定量の病床を確保して入院可能な病床があるとしている。
船橋市新型コロナウイルス感染症対策保健所本部によると、県の見解とは異なり、現場の実態は新型コロナ感染患者を対象とした病床は足りていないのが実情という。今確保しなければならないことは、陽性患者と今後罹患(りかん)する人の命を守る体制をつくることで、そのために症状に応じて確実に医療が関わることができるシステムを構築する必要があるという。
ホテル建物を活用した軽症・無症状者の受け入れは、新型コロナ患者対応のために不可欠であり、医療体制の崩壊を防ぎ、重症化した人を確実に受け入れる体制の基盤になる。今後は、陽性が確認され家で待機している軽症・無症状者、病院に入院している軽症・無症状者のうち、ホテル療養で対応できる人についてはホテルへの移動を行い、軽症、中等症、重症それぞれが適切に症状にあった医療を受けられる体制を目指すという。
同ホテルは地上11階建て、感染者は4階以上の主にシングルルームを使う。受け入れ可能人数は約100人。全客室数128室のうちゾーンを決めて活用する。ゾーニングについては、レッドゾーンとグリーンゾーンに分け、感染者はレッドゾーンからは出られないようにするという。
医療面ではオンコール24時間の医師などによるサポートやPCR検体採取、健康管理については保健師または看護師が常駐(日中=市保健師1人、夜間=派遣看護師1人)、生活支援においては市の職員9人がローテーションで24時間サポートを行う。
問い合わせは 船橋市新型コロナウイルス感染症対策保健所本部(TEL 047-409-1898)まで。