習志野市在住の大学院生・都築則彦さんが現在、宇宙空間で地球を背景に炎をともした写真を撮影するプロジェクトの支援者をクラウドファンディングサイトで募集している。
都築さんは、千葉大学人文公共学府博士前期課程の現役大学院生。習志野市内で育ち、自身のブログでは「貧困家庭に育った」と告白。その体験をバネに「宇宙の研究者」という夢を描くようになったという。
同プロジェクトでは、宇宙飛行士・毛利衛さんの「宇宙から国境線は見えなかった」という言葉を受けて、上空30キロの成層圏から国境のない地球を背景に炎を撮影する事で「社会の分断」を乗り越える象徴にしようというメッセージを打ち出している。
「自分の人生を変える為の大きなチャレンジを求めているうち、オリンピックの学生ボランティアに出合った」という都築さん。ボランティア活動を通じてオリンピック・パラリンピックを深く知った。そこでオリンピックの聖火は、その昔世界中を走り抜けていたのを知り、近年になってさまざまな問題で開催国のみを走るようになったという事実を知る。さまざまな地域間の問題を格差社会の象徴として捉え、自身の幼少期と掛け合わせた。格差の解決が都築さんのミッションになった。
「平和の象徴であるオリンピックの聖火を世界中に巡らせることができたら…」その思いをもって学生ボランティアの仲間たちに呼び掛けた。聖火ランナーのスケジュールに合わせて宇宙(成層圏)から炎と地球の写真を撮る。当初10人くらいのメンバーで行い、大手企業から協賛を受けて実行する予定だったプロジェクトは、コロナショックによるオリンピック延期などでいったん白紙に返った。
「絶望の中だからこそ、夢をあきらめない」と、先へ進むことを選択し、「学生ができる事は学生でやろう」と、予算を見直した。企業協賛が減っても不足分をクラウドファンドで補えば実現可能なところまで見えてきた。
弟の政憲さんが高校時代に関わっていた芝山商店会から活動発表の場をもらい、若手の経営者が集まる商工会議所青年部なども協力を呼び掛けている。
「大学生150人の夢『アースライトプロジェクト』」は9月16日まで、クラウドファンディングサイト「炎越しの地球を撮影したい!国境線のない宇宙に炎を掲げる、人類史上初のプロジェクト」で支援者を募集している。都築さんは「少しでも多くの方に活動を知っていただき、こんな時期だからこそ夢を追う必要がある」と呼び掛ける。