習志野市の学生・都築則彦さんが発起人となって進めている「EARTH LIGHT PROJECT」がクラウドファンディング(以下クラファン)を達成し,、11月2日、日本商工会議所青年部(日本YEG)が同プロジェクトのメインスポンサーとなり支援宣言調印式が行われた。日本YEGとの橋渡しをしたのは船橋YEG元会長で現在関東ブロック会長の「大木無線電気」(船橋市芝山4)代表・大木武士さん。
「EARTH LIGHT PROJECT」とは、宇宙空間で地球を背景に炎をともした写真を撮影するプロジェクト。スペースバルーンの打ち上げにより「国境線の無い宇宙」へ聖火に見立てた炎を掲げ、その炎越しに地球を撮影する史上初の試み。技術開発・地上実験・機体制作などを経て2021年5月に打ち上げを予定している。
都築さんは、千葉大学人文公共学府博士前期課程の現役大学院生。オリンピックの学生ボランティアとの出会いから、「平和の象徴であるオリンピックの聖火を世界中に巡らせることができたら…」との思いを持ち、宇宙(成層圏)から炎と地球の写真を撮ることを決意。大学で宇宙工学を学んでいたこともあり、オリンピック×宇宙×ボランティアがつながったという。
大手企業から協賛を受けて実行する予定だったが、新型コロナウイルスによるオリンピック開催延期などで企業協賛が減り、不足分をクラウドファンディングで補填することに。この話を船橋市内の芝山商店会で発表する機会があり、同じく芝山に本社を持つ大木さんの耳に入った。
大木さんは「今回の支援金は、YEGと関東ブロックYEGが連携して実施した新型コロナウイルス感染症簡易検査キットによる抗体保有調査で、検査キットの販売元のご厚意で売り上げの一部をご提供いただいた」と説明。
学生のボランティア団体が挑戦している壮大な企画を知ったのは、クラファンの締め切りが迫り、目標額に250万円足らない時期だったという。大木さんは「彼らは我々青年部の後に日本を背負う世代。このコロナ禍でやりたいことを制限されてエネルギーに満ちあふれている学生たちのプロジェクトを応援しよう!と、学生団体のプロジェクトを支援することになった」と経緯を話す。
国内に関して、360度カメラを活用することで全国の科学館やプラネタリウムを巡回し、子どもたちに夢を届け、その夢が国際協調や不平などの是正といった「共生」に結びつくような影響力を与えられるシンボルにできればと考えているという。
都築さんは「コロナ禍だからこそ発信する価値のあるメッセージを洗練し続け、技術に落とし込み、日本中、世界中に向けてのムーブメントを展開していければと思っている」と展望を明かす。
都築さんは「クラファン終了後も、多くの学生がメンバーに加わっている。コロナ禍に夢と希望を放ち続けるプロジェクトとなれるよう、日本YEGさんと連携しながら引き続き頑張っていきたい」と意欲を燃やしている。