法典東小学校(船橋市丸山5)で2月22日、船橋市出身の作家・森沢明夫さんが特別授業を行った。
同授業は当初、1月12日に同校体育館で6年生児童153人を対象に行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発令により延期となっていた。
森沢さんによる授業は、感染拡大防止のため、同校会議室からウェブ会議サービス「ZOOM」を使って行われ、児童は各教室のテレビで授業を受けた。この日は、5年生児童138人も参加した。授業は道徳科目「夢~なりたい自分に~」の一環として行われ、森沢さんは「人生という物語の紡ぎ方」をテーマに約1時間の授業を行った。
船橋出身の森沢さんは葛飾小、葛飾中卒業。早稲田大を卒業後は出版社で編集者として勤務した。後にフリーライター経験を経て、現在は作家として、小説、エッセー、絵本の執筆など幅広く活躍している。
船橋を舞台にした小説「きらきら眼鏡」は2018(平成30)年に映画化され、船橋市民もエキストラで参加した。小説「虹の岬の喫茶店」は2014(平成26)年に吉永小百合さん主演で「ふしぎな岬の物語」として映画化、ほかにも映像化作品を多く持つ。
授業前には、藤木美智代教頭が「5年生には来年どんな6年生になろうかと考えるために、6年生にはこれからの人生をどう歩んでいくか考えるために、きっとすてきなヒントを与えてくれることと思う」と話した。
森沢さんがZOOM画面に映る児童に「こんにちは」と手を振ると、児童たちも振り返し、場所は離れていながらも和やかな雰囲気で授業は始まった。「本当はみんなと対面して、いじりながらやりたかった」と森沢さん。
授業では、「今まで大勢の雑誌に紹介する価値のある人たちに会い、そういう人たちにどうやって価値のある人になったかを一人一人に教えてもらったが、そういう幸せな成功者たちには共通点がある」とも。時には「スーパーマリオ」「鬼滅の刃」など、子どもたちに人気のキャラクターを話に交え、ホワイトボードを使って「日ごろからどう生きるか」「幸せになるには」「夢をかなえるには」などについて話した。
「目の前の小さな夢を一個一個かなえて、達成感と幸せを体で味わうと自信がでてくる」「うまくいかなくても楽しもうぜ」と森沢さん。児童たちは熱心にメモを取りながら、地元出身の人生の先輩の話に夢中になっていた。
森沢さんは画面越しに6年生の質問に答えた後、「自分の価値と自分の人生の価値は自分で決めること。ただし人の話には耳を傾ける。教えてくれたまわりの人には感謝する」と話し授業を締めくくった。
授業を終え、児童たちは「これからの人生に生かしていきたい」「『夢をかなえるために自分の意識を変える』ことに感動し、共感した」「失敗しても学びだと思って生きたい」「目標に向かって努力して頑張りたい」などと話していた。