船橋商工会議所青年部が9月26日、船橋商工会議所(船橋市本町1)でSDGs研究会を開催し、「ふなばし子ども食堂ネットワーク」の理事らが登壇、市内子ども食堂の現状を伝えた。
同部では、市内で起きている地域課題を知り、経営者が持つ知見や経済力、影響力で地域課題を一つ一つ解決していこうと当事者や有識者を招いた勉強会を定期的に開いている。
今年のテーマは「SDGs」。「全ての人に健康と福祉を」「人や国の不平等をなくそう」「住み続けられるまちづくりを」など17項目の目標に則している「子ども食堂」を知るために企画した。
登壇したのは「ふなばし子ども食堂ネットワーク」代表で「おむすび食堂」(高根台)運営者の及川恵さん、同ネットワーク理事で「中山ごはん」(中山)運営者の菊田瞳さん、「食べる応援6年4組」(行田)運営者の川島陽子さん、「フードバンクふなばし」(金杉5)代表理事で子ども食堂「こっこ」(宮本)を運営する笹田明子さん。
及川さんは子ども食堂の定義である「子どもが一人でも安心して来られる、無料もしくは低額の食堂」は、貧困と結びつけられがちだが「地域の居場所」「子どもだけでなく幅広い層が利用できる」といった側面の利用状況について触れた。
子ども食堂が「食堂」と名付けられていることから「飲食業」との混同を招き、保健所や役所とともに解決してきた歴史についても紹介し、現在市内30カ所を超える子ども食堂で行っている支援事例や「各小学校区に一つずつ、食堂を運営していきたい」と掲げる目標についても語った。
笹田さんは「フードバンク」について、食材仕入れの入口が「フードロスの削減」、出口の食品配布については「福祉」という複数の側面を持つ事業であることを紹介。
現在はフードパントリー、個別家庭配送、団体支援という3つの事業を担っていることも伝え、「母子センター」(薬円台)での出張パントリー活動、調理の得意不得意など家庭事情に合わせたピッキングで個別家庭配達をしている状況なども共有。現在、主な活動費の捻出は寄付で担っている点などを伝えた。
次いで、青年部のメンバーで副業として移動販売車で「焼き芋きんちゃん」を運営する後藤さんが登壇。市内各所の子ども食堂に「焼き芋」の寄付を行ってきた事例、クラウドファンディングや「焼き芋をプレゼントできる券」の販売など持続可能な運営の仕組みについて紹介した。
その後、登壇者を含んだ参加者5、6人の班でディスカッションを実施。青年部メンバーが参加可能な形の福祉や地域貢献について熱心に情報に耳を傾けた。