
子どもを亡くした家族に向けたチャリティーイベント「天使の日 こころのマルシェ」が10月4日、上行寺船橋別院(船橋市栄町1)で開催される。
主催者の坂巻沙耶花さん、遠山玄秀副住職、佐々木はとみさん、住吉育代さん(左から)
主催は「東葛地域 天使ママの会」。同会代表は、市内でガラス仏具の専門店「Bee-S」(南本町3)を経営する住吉育代さん。「天使の日」とされている10月4日を、「空へ旅立った子どもたちに思いをはせる日にしよう」と企画。「誰にも話せずに心の奥にしまっている悲しみに、そっと寄り添う場所をつくりたい」と住吉さんは話す。
住吉さん自身も、長女を生後8カ月で亡くした経験を持つ。市販の仏具に違和感を覚え、娘のためにかわいらしい仏具を自ら手作りしたことが心の癒やしにつながったという。その経験がきっかけとなり、ガラス仏具の製造・販売を15年前に始めた。
これまで、子どもを亡くした「天使ママ」の声に耳を傾ける「分かち合いの会」などの支援活動も続けてきた。今回のイベントは、上行寺船橋別院の遠山玄秀副住職との出会いを機に、子どもを亡くした家族の心に寄り添うイベントを開きたいと、思いを同じくする仲間とともに実現した。
当日は「天国への手紙」と「キャンドルナイト」などをプログラムとして予定。手紙は亡くなった子どもに宛ててつづり、イベント終了後に境内でおたき上げを行う。キャンドルナイトでは、参加者が購入したキャンドル(300円)を会場のスロープに並べ、空へと思いを届ける「祈りの時間」も設ける。
このほか、遠山副住職による講話(12時30分~)や「こころのお話し会」(13時30分~)、シンガー・ソングライター・カツルミさんのライブステージ(14時30分~)、ガラス雑貨やヒンメリ細工などの販売も行う。骨つぼカバー作りや手作りキャンドル体験、アロマハンドマッサージ、筆文字アートなどのワークショップも予定。
住吉さんは「自分は一人じゃない。そんな風に思えることが、深い悲しみの中ではとても大切」と話す。「無理に前を向こうとしなくてもいい。ただ会場に足を運んでくださるだけでも意味がある。ここが、心の癒やしにつながる場所になればうれしい」と話す。
「『天使ママ』や『天使パパ』と呼ばれる人たちの存在は、まだ社会の中で十分に知られていない。このイベントが、子どもを亡くして傷ついている人たちが身近にいるということを伝えるきっかけになれば」と住吉さんは願いを込める。「初開催となる今回を機に、今後も継続したい」とも。
開催時間は12時~17時。一部プログラムや物販は有料となり、売り上げの一部を「がんの子どもを守る会」へ寄付する。