土佐工業(船橋市三咲4)社長の柴田久恵さんが11月19日、「日本地域コンテンツ大賞2025」の企業誌部門最優秀賞を受賞したことを松戸徹船橋市長に報告するため船橋市役所を訪れた。
日本地域コンテンツ大賞は、全国各地のタウン誌やフリーペーパー、ウェブ動画など地域密着型メディアを対象に、企画力や取材姿勢、デザイン性、読者からの支持などを総合的に審査し、表彰するもの。第15回となる今回は全国から577媒体がエントリーし、「けんせつ姫」第5号が企業誌部門の最優秀賞に選ばれた。同社は2018(平成30)年に続き、2度目の同部門最優秀賞受賞となる。
同日は、柴田さんと編集部の安田友香さんが出席。柴田さんは、「2018年に続く2度目の最優秀賞だが、今回は試行錯誤しながら続けてきた活動が正解だったのか確かめたくてエントリーした」と話し、「『けんせつ姫』が全国の多くの媒体と並んで、どのように評価されるのか、成長ぶりを確認したかった」と続けた。
表彰式は10月28日に東京都中央区で行われ、会場には配信用のカメラも設置。2018年受賞時のエントリー数342媒体から、今回は大幅に増えた577媒体の中からの受賞だったことや、会場では「レコード大賞」のように順番に発表される緊張感のある雰囲気だったことなども報告した。
講評では、建設業の人材不足、とりわけ地方における若者・女性人材の確保の難しさに触れた上で、「けんせつ姫」は、建設業で生き生きと働く女性の姿や、東京・千葉・熊本の学校インタビューを通じて「なぜ女子が建設業を目指すのか」を丁寧に伝えている点が高く評価された。建設業に対する「きつい」「汚い」といったイメージを払拭し、女性の新しいロールモデルを提示する社会的意義の高い媒体であること、一企業の社内誌という枠を超えた自主的な取り組みであることなどが、最優秀賞選出の理由として挙げられたという。
今回の受賞に伴い、「けんせつ姫」第5号は、第4号に続き、県内の中学1年生・高校1年生約11万人にも配布する予定。中学生の進路選択の時期に、工業高校や建設業界への理解を深める教材としても活用されることを見込む。
松戸市長は「創刊から継続して発行を続ける中で、建設業で働く人たちの自信ややりがいが誌面から伝わってくる。女性も含め、多様な人材が活躍できる建設業の姿を示している」と述べ、柴田社長のこれまでの取り組みと、社内外の女性のロールモデルとしての役割に期待を寄せた。
同社では現在、2026年2月1日発行予定の「けんせつ姫」第6号を制作中。第5号に続き、県内の学校現場との連携を図りながら、建設業の担い手不足解消や若年層へのイメージ向上につながる内容にする考えだという。