
木更津高専 環境都市工学科4年生
木更津工業高等専門学校(千葉県木更津市 校長:先村律雄 以下「木更津高専」)は、木更津市内の国道16号長須賀高架橋において「橋梁点検学習会」を実施しました。木更津高専環境都市工学科4年生が、国土交通省千葉国道事務所および株式会社建設技術研究所の協力のもと、高所作業車を用いた橋梁の近接目視や、ドローンによる点検支援技術などを体験しました。実際の現場で学ぶ貴重な機会を通して、学生たちはインフラを支える技術や専門職の役割への理解を深めました。
現場で学ぶ「橋を守る技術」
本学科では、社会インフラを担う人材育成(社会インフラを支える技術への理解と重要性を深めること)を目的として、現場での学びを重視した教育活動を行っています。今回の橋梁点検学習会では、学生が実際に橋梁点検の最前線を体験し橋梁点検技術やメンテナンスの重要性を学びました。
会場となったのは、普段学生たちも通学で利用している国道16号の長須賀高架橋です。日常生活の中で見慣れた橋を、点検という視点から改めて観察することで、身近なインフラが多くの技術や努力によって支えられていることを実感しました。
多彩な点検技術を体験
当日は、高所作業車2台を使用した上部工(じょうぶこう)での近接目視点検のほか、各種ドローンを活用した点検支援技術、反発硬度法や電磁波レーダ法による非破壊検査、さらにVRを用いた疑似点検体験など、幅広い内容が実施されました。参加した学生たちは、普段授業で学ぶ理論がどのように現場で活かされているかを実感し、将来の進路や技術者としての目標を明確にするきっかけとなりました。
国土交通省千葉国道事務所および株式会社建設技術研究所からは、現場経験をもとにした点検作業における具体的なアドバイスや、最新の点検技術の紹介、進路や今後のキャリア形成に関する助言などもいただき、学生たちにとって最新の点検技術に加え、社会インフラを支える「責任とやりがい」にも触れる非常に刺激的な学びの時間となりました。
学生が感じた“現場のリアル”
・「実際に高所作業車に乗って橋を近くで見ることができ、とても貴重な体験になりました。ハンマーでたたかなくても目視で『うき』を判断できるという話を聞き、専門技術の奥深さを感じました」
・「小型ドローンと赤外線カメラ搭載ドローンの飛行を比較しながら、それぞれの特徴を理解できました。取得した画像を3D化したデータの精度にも驚きました」
・「VRを作る人達が土木分野にもいることに驚いた」
・「土木技術者の人口が減少している中で、技術継承や研修といった面で、実現場に近い雰囲気を味わえる素晴らしい体験だと感じた」
学生たちからは、このように技術力の高さや最新機器の性能、そしてそれらを支える技術者の情熱に感銘を受けたという声が多く寄せられました。
地域とともに未来の技術者を育む
木更津高専では、今後も産学官連携を通じて、地域のインフラ維持管理や防災・減災に貢献できる人材の育成に力を入れてまいります。学生たちが現場のリアルを体感し、自らの進路を考える機会を積極的に提供していきます。

高所作業車搭乗での点検体験の様子

ドローン点検体験の様子

VRによる点検疑似体験の様子

電磁波レーダ法による非破壊検査の様子
木更津工業高等専門学校について
木更津工業高等専門学校は、1967年に千葉県木更津市に創設された国立高専専門学校であり、これまでの約58年間で本科卒業生は8510名、専攻科修了生は769名に上り、国内外の様々な領域で幅広く活躍しています。本校の方針により、幅広い教養を基本とし、国際的視野を持ち、自ら考え決断する判断力、自ら工夫し新しいものを造り出す創造力、自らの信念に基づき困難にも屈せず遂行する実行力の三つの能力を備えた創造的エンジニアとしての人材の養成を目指します。あわせて、健康な身体と精神、豊かな情操を培い、各専門の科学技術発展と成果の基礎となる理論を十分に理解して、社会に貢献でき、広範囲に活躍する実践的技術者の育成教育に努めます。

木更津高専 外観
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 木更津工業高等専門学校
所在地:千葉県木更津市清見台東2-11-1
校長:先村 律雄
設立:1967年
URL:
https://www.kisarazu.ac.jp
事業内容:高等専門学校・高等教育機関