学校法人SEiRYO学園(所在地:千葉県船橋市、理事長:いぬかい 良成)は、小学生~中学生の子どもを持つ保護者を対象に、「子どもの教育環境に関する保護者の意識と選択肢」に関する調査を行いました。
「このままで、本当にいいのだろうか――」
子どもが学校で過ごす様子に、そのように感じたことはありませんか?
朝の登校をしぶる、友達との関係に疲れている、授業がつまらなそう…そのような様子に、小さな違和感を覚えたことがある方もいるかもしれません。
また、虫や絵、工作など、好きなことに夢中になる姿を見て、その関心が学校では十分に活かされていないのでは、と感じることもあるかもしれません。
子どもの学び方や過ごし方について改めて考えるきっかけは、日常の中にもあるのかもしれません。
そこで今回、オルタナティブスクールToy-A(https://toy-a.org/)を運営する学校法人SEiRYO学園(https://seiryo-gakuen.ed.jp/)は、小学生~中学生の子どもを持つ保護者を対象に、「子どもの教育環境に関する保護者の意識と選択肢」に関する調査を行いました。
調査概要:「子どもの教育環境に関する保護者の意識と選択肢」に関する調査
【調査期間】2025年11月4日(火)~2025年11月5日(水)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,011人
【調査対象】調査回答時に小学生~中学生の子どもを持つ保護者と回答したモニター
【調査元】学校法人SEiRYO学園(https://toy-a.org/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
子どもの教育や学びの関心事で最も多いのは「興味・関心を伸ばすこと」

はじめに、「子どもの教育や学びについて、日頃どのようなことに関心があるか」について尋ねたところ、『子どもの興味・関心を伸ばすこと(71.0%)』が最も多く、『学力や成績のこと(58.4%)』『人間関係の構築(52.1%)』となりました。
約7割の保護者が「子ども自身の興味・関心を伸ばすこと」に関心があることから、内面的な成長や自発的な学びを重視する意識が広がっていると考えられます。
また、「学力や成績」や「人間関係」にも関心が集まっていることがわかりました。
では、実際に子どもたちは今どのようなことに関心を持ち、日常の中でどのような分野に意欲を示しているのでしょうか?

「子どもが現在、興味・関心を持っていることには、どのようなものがあるか」について尋ねたところ、『スポーツや身体を動かす活動(39.2%)』が最も多く、『ゲームやプログラミングなどのテクノロジー(32.6%)』『工作や創作などのものづくり(25.1%)』となりました。
身体を使う体験型の活動と、デジタル技術や創造性を生かす活動の両方に関心が広がっていることがうかがえます。
現代の子どもたちは、リアルな体験とデジタルの世界を自然に行き来しながら、自分なりの「学びの面白さ」を見出していると考えられます。
また、「ものづくり」といった創造的な活動に興味・関心がある子どもも一定数おり、結果よりも“自分の手で形にする”喜びが学びのモチベーションになっている様子がうかがえます。
では、そうした“興味の芽”を前に、保護者はどのような関わり方をしているのでしょうか。
「子どもが何かに興味・関心を持ったとき、あなたはどのように関わっているか」について尋ねたところ、『本人のペースを尊重しながら見守っている(52.6%)』が最も多く、『一緒に調べたり、体験に連れて行ったりする(45.6%)』『必要な環境や道具を整えている(40.4%)』となりました。
多くの保護者が「干渉しすぎず見守る」姿勢で関わっていることから、主体性を尊重する子育てが定着しつつあるといえます。
共に調べたり体験を共有したりする行動も多く見られ、家庭内での「共に学ぶ」意識が高まっていると考えられます。
6割の保護者が学校に“違和感”を覚えた経験あり。そのきっかけとは?
子どもの興味・関心に寄り添いながらサポートする保護者が多いですが、学校の教育方針や対応についてはどのように感じているのでしょうか。

「これまでに、子どもの学校の教育方針や対応に“違和感”を覚えたことはあるか」について尋ねたところ、6割が『よくある(20.8%)』『ややある(39.2%)』と回答しました。
一定数の保護者が、学校の教育方針や対応に違和感を覚えたことがあるという現状が浮かび上がりました。
個別最適化や多様性への対応が進む社会において、従来型の一斉指導に限界を感じる保護者が増えているのではないでしょうか。
では、具体的にどのような場面で学校の教育方針や対応に“違和感”を覚えたのでしょうか。
ここからは、前の質問で『よくある』『ややある』と回答した方にうかがいました。
「そのような“違和感”を覚えたタイミング・きっかけ」について尋ねたところ、『子どもの個性が理解されていないと感じたとき(34.8%)』が最も多く、『学校のルールや対応に疑問を感じたとき(31.4%)』『集団生活の様子や雰囲気が気になったとき(23.3%)』となりました。
学校が子どもを“個人”としてどこまで丁寧に見ているのか?という視点に関わる要素が上位になりました。
多くの保護者が、子どもが型にはめられることへの不安や、学校全体の雰囲気が子どもに与える影響を気にかけているようです。
では、そうした違和感を覚えた保護者は、その後どのような行動をとったのでしょうか?

「子どもの学校の教育方針や対応に問題を感じ、したことがある行動」について尋ねたところ、『家族・友人に相談した(37.3%)』が最も多く、『特に行動は起こしていない(35.3%)』『外部の教育サービスや学びの場を探した(19.6%)』となりました。
問題意識を持っても、具体的な行動に移す保護者は限られていることがわかります。
相談や情報収集にとどまる背景には、教育制度や地域環境の制約、そして子どもの負担を考慮する慎重さがあると考えられます。
「子ども自身が見つけた学び」を重視する保護者は9割!保護者が考える望ましい学びの環境とは
学校に対して違和感を覚えた保護者の中には、相談や情報収集など、さまざまな行動をとる方がいました。
では、そうした保護者自身は、子どもの学びに対してどのような考えを持っているのでしょうか?再び全員にうかがいました。

「『大人が決めた学び』ではなく、『子ども自身が見つけた学び』は大切だと思うか」について尋ねたところ、9割が『とてもそう思う(49.6%)』『ややそう思う(40.4%)』と回答しました。
大多数の保護者が、「子ども自身が見つけた学びは大切」と考えていることから、学びの主体を子どもに置く教育観が広く浸透していることがうかがえます。
保護者が“教えられる学び”よりも、“自ら気づき、考え、行動する学び”を重視しているようです。
背景には、変化が速い社会において、知識の量よりも「自分で課題を見つけ、解決する力」が求められている現実があると考えられます。
では、保護者はどのような学びの場が望ましいと感じているのでしょうか。
「子どもにとって、どのような学びの環境が望ましいと感じるか」について尋ねたところ、『好きなものを調べたり深掘りしたりできる環境(59.5%)』が最も多く、『体験や社会とつながる学びができる環境(49.1%)』『興味や関心を起点に学べるカリキュラムがある環境(38.4%)』となりました。
この結果から、保護者は子どもの“主体的な探究”と“実体験を通じた学び”の両立を重視していることがうかがえます。
学力中心ではなく、子どもの「好奇心」がそのまま学びにつながる環境を求める傾向が強まっているといえますが、「体験を通じた学び」は、どのような場で育まれると考えているのでしょうか。

「“体験から学ぶ力”は、どのような場で育まれると思うか」について尋ねたところ、『子どもの「やってみたい」という気持ちを尊重してくれる場(60.0%)』が最も多く、『子どもの意見や気づきを引き出してくれる大人がいる場(44.4%)』『試行錯誤や失敗が許される場(39.6%)』となりました。
子どもの気持ちや意見を尊重し、失敗や試行錯誤も受け入れる「寛容な環境」が、子どもの挑戦心を育むと考える保護者が多いことがわかります。
結果よりも過程を重視する姿勢が広がっており、教育現場にも「体験を通して学ぶ」構造が求められているといえるでしょう。
子どもを安心して預けられる学びの場の条件は「個性と多様性の尊重」
最後に、保護者が求める“安心して預けられる学びの場”の条件を聞きました。

「子どもを安心して預けられる学びの場に、どのような要素があるとよいか」を尋ねたところ、『子どもの個性やペースを尊重する姿勢がある(58.2%)』が最も多く、『多様な背景の子どもたちが共に学べる環境(38.3%)』『教員免許など教育の専門性を持つスタッフがいる(36.6%)』となりました。
安心して子どもを預けられる学びの場にあるとよい要素として、「子どもの個性やペースを尊重する姿勢があること」が最も多く挙げられました。
「多様な背景の子どもが共に学べる環境」や「教育の専門性を持つスタッフの存在」が続き、安心感の基準が“人”と“姿勢”にあることがわかります。
また、「保護者とのコミュニケーション」や「信頼できる運営母体」も一定の支持を集めており、教育内容だけでなく、運営母体の信頼性や家庭との協働が重視されているといえるでしょう。
まとめ:保護者が求めるのは“子ども主体”の多様で安心できる学びの環境
今回の調査で、子どもの教育や学びについて「子どもの興味・関心を伸ばすこと」に関心がある保護者が多く、学力や成績よりも“自分らしく学ぶ姿勢”を支えたいという思いが強いことが明らかになりました。
子どもの関心領域がスポーツやテクノロジー、ものづくりなど多岐にわたることからも、現代の学びが一律ではなく、多様な方向に広がっていることがうかがえます。
子どもが何かに興味・関心を持った際、保護者の多くは「見守る」「一緒に体験する」といった関わり方を選んでおり、子どもの自主性を尊重しながら寄り添う姿勢が主流になりつつあります。
保護者の6割は学校の教育方針や対応に違和感を覚えた経験を持ち、その理由として「子どもの個性が理解されていない」「学校のルールや対応に疑問がある」など、個別の特性への理解不足を挙げる声が目立ちました。
この結果は、保護者が画一的な教育に限界を感じ、多様性を尊重する環境を求めていることを示しています。
実際に、違和感を覚えた後の行動としては「家族・友人に相談した」「外部の学びの場を探した」など、身近なところから解決策を模索する姿が見られました。
こうした動きの背景には、保護者自身が子どもの成長を学校任せにせず、主体的に環境を選び取ろうとする意識の高まりがあると考えられます。
また、9割の保護者が「子ども自身が見つけた学びが大切」と回答していることからも、教育の主役を“子ども”に据える考え方が広く浸透していることが明らかになりました。
子どもにとって望ましい学びの場としては、「好きなことを深掘りできる環境」「体験や社会とつながる学びができる環境」が上位に挙がり、“体験から学ぶ力”を育むには「やってみたいという気持ちを尊重する場」が重要とされています。
子どもを安心して預けられる学びの場には、子どもの個性を尊重し、多様な子どもが共に学べるといった要素を求める意識が顕著に見られました。
今後は、学校や社会が協力し、子ども一人ひとりの興味と成長を支える仕組みを築くことが、これからの教育において欠かせない課題であると考えられます。
自分たちで「学びたい」を創る場づくりに教師が寄り添う学びの処「オルタナティブスクールToy-A」

今回、「子どもの教育環境に関する保護者の意識と選択肢」に関する調査を実施した学校法人SEiRYO学園(https://seiryo-gakuen.ed.jp/)は、オルタナティブスクールToy-A(https://toy-a.org/)を運営しています。
■Toy-Aについて
