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船橋「割烹旅館 玉川」で太宰作品の朗読ライブ-フリーアナ原きよさん迎え

フリーアナウンサー原きよさん

フリーアナウンサー原きよさん

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 太宰治が執筆に励んだという「割烹(かっぽう)旅館 玉川」(船橋市湊町2、TEL 047-431-3234)で2月28日、太宰作品の朗読ライブが開かれ、約100人が参加した。

太宰が執筆に使った部屋(関連画像)

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 朗読をしたのは、太宰ゆかりの場所で太宰作品の朗読をしているフリーアナウンサーの原きよさん(47)。2002年に太宰の最期の地となった東京都三鷹市の「みたか観光ガイド協会」から朗読会の出演依頼を受けたことがきっかけで、三鷹市で太宰治作品の朗読ライブが始まり、今でも活動は続いている。

 船橋での朗読ライブは今回が初開催。船橋が舞台の「黄金風景」に始まり、作品のごく一部に船橋の風景が出てくる「ア、秋」、女性が登場する原さんおすすめの作品「葉」「朝」「満願」「美少女」の全6作品を朗読する。

 「太宰というと、代表作『走れメロス』『人間失格』の作品から、暗い、女々しいイメージで敬遠する人も多いが、短編を読んでその心尽くしを感じた。多くの人に、太宰にはこんなに面白いユーモアのある作品もあることを知ってもらいたい」と原さん。

 朗読の合間には、船橋市観光協会副会長の海老原義憲さん(63)が「船橋と太宰治」と題した話をする場面も。原さんは「前から船橋で朗読会をしたいと思っていたが、海老原さんとの出会いにより今回のイベント開催が実現した」と話す。

 市内在住の田口典子さんは、「太宰ゆかりの地での朗読は、太宰が見守ってくれているような感覚があり、場所の大切さを感じた」と感想を話す。「女性、男性、子どもの声の使い分けがうまく、表現を丁寧にされていて物語に引き付けられた」と話すのは、馬込沢から来た岩井さん。

 「太宰は優しくて、ばか正直で、書くことに真剣な作家だった。その作品は人間の弱さをさらけ出し、人間らしく、弱者の味方をする心尽くしが感じられる。よく太宰が乗り移っているんじゃないかと言われるが、うれしく思っている」と原さん。「船橋を盛り上げるためにも朗読活動を続けていきたい」とも。

 原さんは5月21日にきららホール(船橋市本町1、TEL047-423-7261)で行われる朗読とピアノのアンサンブル「太宰を読む、太宰を奏でる」(入場無料、先着250人)にも出演する。

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