船橋港に停泊する大型の漁船から初日の出を見る企画「初日の出クルージング」が元日、市内のNPO法人「ベイプランアソシエイツ」が主催して行われた。
東京湾に残された貴重な自然環境「三番瀬」をテーマに「天然資源の保護や海辺の景観美化」などに取り組む同NPO。活動の一環として、毎年恒例で行っている「初日の出クルージング」は、同NPO代表で船橋市漁業協同組合の代表理事組合長を務める大野一敏さんが所有する船で、東京湾沖からその年最初に昇る日の出を拝む企画。
当日は、あいにくの曇天となり水平線上から昇る朝日を見ることはできなかったが、旧南極観測船の「しらせ」や、東京湾に浮かぶ自然島「貝殻島」などを間近で見学する事ができた。着岸直前には、雲の切れ間から「初日の出」を拝む事もでき、企画に参加した約60人は満足気な様子を見せた。
帰港後は、船橋港で水揚げされた「ホンビノス貝」を使った「漁師汁(クラムチャウダー)」も振る舞われ、海上の強烈な海風で冷え切った体を、できたてのスープで温めた。
夫婦で参加した今村裕美さん(30)は「日の出を見ることはできなかったが、船に乗る体験自体が楽しかった」と話す。家族4人で参加した鈴木佳奈さん(10)は「景色がきれいだった。スープもおいしいので来年も参加したい」とほほ笑む。4回目の参加となった清川圭三さん(67)は「雲に隠れる日の出も風情があって、いいのでは」と振り返った。