船橋の名産物「船橋のなし」の開花がピークを迎え、市内の梨農家は晴れ間を見て受粉作業に追われる日々を過ごしている。
今年の満開ピークを迎えたのが今月19日ごろ。それから105~110日ほどで出荷が始まる見込みだ。今年の出荷開始予想は7月末~8月1週ごろで、昨年同様になりそうだという。
梨農家では、梨の花が満開になると晴れ間を見つけ2~3日の間に「受粉」作業を行う。梨が効率良く実を付けられるよう枝の外側の花だけを残す「摘花」という作業も同時に行う。実が枝に当たったまま成長することで収穫までに傷が付くことのないよう、どの花を成長させるのかを見極め、効率良く収穫できるように準備をする大切な作業だ。
この時期に受粉作業を行っているのは同園で最も収穫の早い「幸水」。「幸水」よりも出荷の遅い「新高」「豊水」の受粉作業は例年であればすでに終えている。「梨は本来であれば収穫の遅い方が、花が咲くのが早い」と、二和の船芳園(船橋市二和東2)の加納芳光さん。
今季、船橋の梨農家の一部で、幸水の花が通常よりもかなり小さめに咲いている症状が見られ問題になっている。3月中旬から4月上旬にかけての大切な時期に天候不順があったためだとみられているが、原因は定かではない。「もしかしたら2割くらいの花が影響を受けているので、昨年のように豊作とはいかないかもしれない」と不安な表情を見せる梨農家も。
一方で、「これからゴールデンウイークを経て、夏の暑い時期に日照時間を確保できて、晴れ間が見えることですぐに実は大きくなるはず。心配し過ぎなくても大丈夫」と船橋市場関係者のコメントも。ふなっしーのPR活動の影響で、全国的な知名度に育った「船橋のなし」をなるべく多くの人に届けられるよう、船橋の梨関係者は心を砕いている。