船橋市の梨の妖精「ふなっしー」が船橋警察署から「犯罪なっしー広報官」に抜てきされ、船橋駅北口デッキで6月7日、委嘱式が行われた。
「犯罪なっしー広報官」の委嘱は、同署の齋藤憲一署長と船橋東警察署の櫻井明夫署長の連名によるもの。老若男女にファン層の幅広いふなっしーの人気を借り、市民の振り込め詐欺防止の普及を目指す取り組みだ。
船橋市は、5月31日までの振り込め詐欺被害件数が106件(船橋署管内48件、船橋東署管内58件)、被害金額2億1,714万1,833円。千葉県内でワースト1位。千葉県は、東京都、大阪府、神奈川県に次いでワースト4位。還付金詐欺だけを集計すると、4月末時点で全国でも断トツのワースト1位という被害状況だ。
委嘱式には両署長のほか、市内の銀行を代表して最寄りの千葉銀行船橋北口支店から泉水宏之支店長が出席。振り込め詐欺の実情と水際で市民力を動員して食い止めることの有効性などを訴えた。
署長らの話が終わった後、ふなっしーが登場。「犯罪なっしー広報官」の委嘱を受けたふなっしーは「船橋市が振り込め詐欺被害の多い地域と聞いては聞き捨てならないなっしー。みんなの力で振り込め詐欺なっしーでいくなっしー」と意気込みを見せた。
犯罪なっしー広報官の名刺を受け取ると、「ふなっしーと申します。振り込め詐欺の防止に協力お願いしますなっしー」と、さっそく泉水支店長に手渡したふなっしー。その後、地域防犯パトロール隊などのボランティアに向け、「みんなの力で振り込め詐欺をなっしーに」と力強く訴えた。
今週中には警察や金融機関と連携し、市内のATMに「犯罪なっしー広報官 ふなっしー」の名刺を設置。ATM利用者がふなっしーの名刺を自由に持ち帰れるようにする。多くの目で監視することで振り込め詐欺防止の効果を高める狙いだ。
「ATMなどでふなっしーの名刺を見かけたら持ち帰る際にはSNSなどで『振り込め詐欺防止なっしー』『犯罪なっしーに』などと、ぜひとも拡散をお願いしたい。皆さんの力で船橋の振り込め詐欺被害を減らしたい」と船橋署の担当署員。