夏見台小学校(船橋市夏見台2)で7月9日に船橋在住の落語家による落語会が開催され、同校4年生約110人が参加した。
落語会を企画したのは、4年生の学年主任・小山里美教諭。小山教諭は「子どもたちにさまざまな生の体験をしてほしい。伝統芸能の落語を通じて言葉の面白さを楽しんでほしい」と、2年前にも好評だった落語会を再び開いた。
出演したのは、落語芸術協会所属で二つ目の春風亭橋蔵さん。橋蔵さんは船橋市在住で、普段は浅草や上野など都内の寄席を中心に回り、市内でも積極的に活動している。橋蔵さんは「少ない小道具を使って、ひとりで複数の役を演じ、想像力を働かせて楽しむのが落語の見どころ」と話す。
国語の授業の一環として行った同会。会場の視聴覚室には高座を設け、出演者の名前を記した「めくり」を置いた。めくりの字は、落語会をとても楽しみにしていたという4組の松本みりやさんが書いた。
会が始まると、橋蔵さんが落語の豆知識や楽しみ方を解説。「玄関の方向」「道具の使い方」「落ちの駄じゃれ」などを分かりやすく説明し、子どもたちの心をつかむため、九官鳥や猿などの動物が登場する小ばなしを3つ披露すると、さっそく笑いが起きた。
その後、各クラスの代表児童8人と2組担任の菅野武蔵教諭がそばをすするしぐさに挑戦。橋蔵さんからやり方を教わった後で次々と高座に上がり、そばをすするしぐさを披露した。
最後に落語「初天神」を演じると、橋蔵さんのコミカルな演技に会場は終始笑いに包まれた。初天神は天神参りの道中、子どもが父親を茶化す演目。参加した児童からは「もう一回聴きたい」「落語の伝統を感じた」「落語の秘密が分かって良かった」などの感想が聞かれた。
橋蔵さんは「子どもたちがとても素直で、たくさん笑ってくれてやりがいを感じた。声をかけてもらえれば、喜んでどこでもやる。子どもたちが落語と親しむきっかけを作れたら」と振り返る。
小山教諭は「ちょうど国語の教科書で『ぞろぞろ』という落語の話を勉強し始めたところ。今日の経験を学びにも生かしてほしい」と話す。