市民団体が多数出店する船橋・本町通り商店街主催のイベント「きらきら秋の夢ひろば」で10月29日、出店者が段ボール箱一箱分の古本を持ち寄る「一箱古本市」が開催される。
主催は、書店・古書店・出版社・編集者などで構成された市民グループ「本toちば」。福岡市内で開かれた「BOOKOKA(ブックオカ)」に忽那さんが参加しイベントの趣旨に共感。4年前からメンバーを召集し活動が始まった。
忽那さんが参加したのは福岡市中央区のけやき通りに約20店が出店したブックイベント。通りに並ぶ商店の軒先を使って参加者が思い思いに古本を持ち寄り、段ボール箱一箱に古本を詰め込んで販売した。箱の中身は店主(出店者)の思い入れがたっぷり詰まった本。本好きの集まる会場の熱気に「千葉にもこの熱気を持ち帰りたい」と地元船橋での開催を決意したという。出版コンサルティングが本業の忽那さんは千葉県を主な活動地域としているため、かねてから「千葉県民は本に対する関心が薄すぎる」と思い悩んでいた矢先の事だった。
「一箱古本市」では、本好きなら誰でも持っている「最高の一冊」「思い入れの詰まった一冊」を店頭に並べる。「二番手」「どうでもいい本」ではない所が「肝」だという。
価格は店主次第で、特に思い入れの詰まった本であれば本来の定価を大きく上回る場合もある。「目的は、販売よりもあくまで本好き同士のコミュニケーション。思い入れの強いプレゼンテーションでどうしても読みたくなり、定価よりも高い値段で購入する事もある。安く購入したいなら、古書店チェーンでいくらでも安く売っている。一番好きな本や大切な一冊だからPRに熱が入る」と忽那さん。
「2~3年かけてじっくり浸透させていく。認知されてきたら店主希望者もどんどん増えると思う」。今回は30店舗ほどの店主で、商店街イベントの一角を借りて開くが、「将来的には街全体を巻き込んだ大きなブックイベントにしていきたい」と目を輝かせる。