心肺停止の男性をAEDによる救命処置をしたとして1月30日、船橋市中央消防署（船橋市湊町2、TEL　047-435-8664）は消防協力者へ感謝状を贈呈した。

船橋市中央消防署での感謝状贈呈の様子（関連画像）

　感謝状を受け取ったのは、東邦大学医療センター佐倉病院看護師の加藤綾さん、京成電鉄京成船橋駅助役の川瀬英靖さん、同駅勤務の大木剛さんの3人。京成船橋駅も事業所表彰を受けた。

　昨年11月27日8時30分ごろ、船橋フェイスビル（船橋市本町1）2階のJR船橋駅連絡歩道橋上において、心肺停止状態で倒れていた71歳男性に対し、3人が迅速かつ的確に心臓マッサージを実施。その後、京成船橋駅に設置されたAED（自動体外式除細動器）を使用した。これにより男性は心拍を回復し、自発呼吸を再開したという。

　加藤さんが倒れている男性を発見した時、すでに京成船橋駅員によりAEDが持ち込まれていた。その場にいた人たちは病状の判断がつかず見守っていたが、加藤さんはいち早く意識レベル、瞳孔所見を行い、心臓マッサージを行った上でAEDの使用に踏み切った。

　当時を振り返り、「病院でちょうど救命措置の講習を受けていたところだった。まさかこんなに早く実践することになるとは思わなかったが、看護師として役に立ててよかった」と加藤さん。「一人の命を救うのは大きなことだとあらためて実感した」とも。なお男性は約1カ月後、病院を退院し社会復帰を果たしている。

　船橋市中央消防署の大野光雄署長は「見事な連携と加藤さんの適切な応急措置、それに京成電鉄の事業としての積極的なAED設置が人命を救った。今後も一層の救命救急にご協力いただきたい」と謝辞を述べた。

　市内のAED設置数は、コンビニエンスストアに196、役所に192、認定事業所に253。「AEDはますます設置件数が増えている。もしものときのため、さらに充実させていきたい」と船橋市消防局予防課の安西義昭さん。