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船橋の守屋さんらがバレーW杯応援団結成-試合会場で石巻焼きそば販売も

イベント会場でひときわ目立つキッチンカーの「HEARTLUCK号」

イベント会場でひときわ目立つキッチンカーの「HEARTLUCK号」

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 船橋市内で事業を営む守屋慶隆さん(37)が副団長を務める全日本バレーボール応援団「TEAM・BATMAN」が11月16日~18日、国立代々木競技場第1体育館(東京都渋谷区)で「石巻焼きそば」を販売している。

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 ワールドカップバレー2011を戦う全日本チームにスタンドから熱い声援を送る「TEAM・BATMAN」団長でラジオDJのKOUSAKUさん(44)と守屋さんの出会いは、震災の混乱も冷めやらぬ4月5日のことだった。チーム名の「BATMAN」は、KOUSAKUさんの「こう」と、守屋さんの「もり」を組み合わせた「コウモリ」から。

 「最初はお互いに『何だこいつ』って感じだった」と振り返る守屋さん。守屋さんは、震災直後の3月中旬から鎌ケ谷市のボランティア団体と共に「とどけようfrom千葉(とど千葉)」という団体を立ち上げ、毎週のように被災地へ足を踏み入れていた。

 震災直後は、守屋さんが経営する、保冷車レンタル事業を手掛ける「A-TRUCK」(船橋市高根町)所有のトラックに支援物資を積み込んでの被災地に入り、3月末には炊き出し専用の「キッチンカー」を購入し、支援物資と並走で被災地へ向かうようになった。当時、マイクロバスを使い船橋市近郊の「志ある」若者たちを連れて「よさこい」や「子ども遊び」「炊き出し」などのキャラバン隊を編成し訪問するようになっていた。多いときで約150人という「支援部隊」に被災地では涙を流して喜ぶ姿も見られたという。そんなころに2人は出会った。

 当時、興味本位から被災地入りする「にわかボランティア」が横行していたという。「まるごみ」の代表として何度も被災地へ物資を届けていたKOUSAKUさんと「とど千葉」代表として支援を続けていた守屋さんは、お互いを「どうせ、こいつもすぐにやめるんだろうなぁ」と冷めた目で見ていた。

 支援活動を続けるうち、お互いの志に共感したKOUSAKUさんと守屋さんは「TEAM・BATMAN」を立ち上げ、力を合わせて活動するようになった。震災から4カ月を過ぎると自立した生活を過ごせる人々も出てきた。「人が人を自立させることはできないが、きっかけを作ることならできる」と考えた2人は、継続的に支援を続けられる発展的な方法を模索した。

 「復興に向かってやる気のある人を継続して支援する事のできる方法を」と、2人はKOUSAKUさんがDJを務める「BAY-FM」に震災興支援番組を持ち掛けた。8月、「同じ空の下、心をひとつに つながろうニッポン」をテーマに番組「HEARTLUCK」(毎週土曜6時30分~7時52分)がスタートした。

 番組内で、復興の象徴として、さらには番組のDJブースとして活躍しているのがキッチンカーの「HEARTLUCK号」。各地の復興支援イベントなどに参加して「石巻やきそば」を販売している。番組を聴いたリスナーがイベント会場に駆け付け石巻焼きそばを食べる。売り上げは石巻・鮎川浜地区で三陸ワカメ養殖の復活を目指している漁業者の支援に充てている。復興支援を続けるための新たな仕組みが誕生した。

 「被災地へ行けば被災直後と今も変わらない生活をされている方々がいる。自分たちのフィールドを生かしてできる事を支援につなげていこう」と、今も継続して支援活動を続ける。

 今夏、会場DJとして2003年からワールドカップバレーボールを支えてきたKOUSAKUさんに全日本バレーボールの応援団設立の話が舞い込んだ。「元気のなくなっている日本を応援しながら石巻焼きそばで東北を支援するチャンス」と考え、「TEAM・BATMAN」を全日本バレーボール応援団として創設した。全日本の遠征先には、応援団の象徴「HEARTLUCK号」が応援練習をして待機する。「目標は金メダル」と設定し、スタンドからの団結力で全日本を支える。

 「自ら立って歩き出そう」とする復興に向けた動きを活気あるイベントで支援する「TEAM・BATMAN」の活動は11月16日~18日、代々木体育館で行われる全日本女子戦で見ることができる(男子は12月2日~4日)。当日の応援練習に参加した先着20人には「NIPPON」Tシャツも進呈。

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