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船橋の小学校でデジタル復元師、小林泰三さん講演―仕事と夢について

6年生対象に「仕事に夢をかける」テーマに講演する小林さん

6年生対象に「仕事に夢をかける」テーマに講演する小林さん

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 船橋市内最西部にある小栗原小学校(船橋市本中山3、TEL 047-334-4733)の体育館で2月23日、「仕事に夢をかける」をテーマにした講演が6年生150人を対象に行われた。

高松塚古墳の壁画をデジタルで再現した鮮明な画像(関連画像)

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 6年生の学習の締めくくりとして行われた同授業。この日、講師を務めたのは36年前に同小学校を卒業した「デジタル復元師・彩色家」小林泰三さん(48)。「昔の人が見てきた色」について語った。

 小林さんは『日本の国宝、最初はこんな色だった』(光文社)を出版しており、デジタル復元師としてNHKなどのテレビにも出演している。小学生の時から絵を描くことと、美術が好きだった小林さんは、大学卒業と同時に学芸員の資格を取得。

 大手印刷会社に就職し、その「好き」の延長として画像技術により色を再現する仕事を手掛けた。日本美術「狩野派の屏風(びょうぶ)・花下遊楽図屏風」や「地獄草子・生きている地獄」などで数々の受賞。現在は、美術のデジタル復元事業として「小林美術科学」(兵庫県三田市)を運営している。

 この日は、小林さんが手掛けた日本美術品の使用前・使用後といった画像を見せた後、児童に向けて「今の仕事の原点になっているのが、子どものころから絵を描くのが大好きだったという気持ち。だから、何が好きか、その好きという気持ちを未来に向けて大切にしてほしい」と、メッセージを送った。

 講演の後半には体験時間を設け、小林さんが手掛けた高松塚古墳の本来の絵を再現したミニチュアを下からのぞいたり、豊臣秀吉の第2夫人であった淀殿の着物を試着したり、合戦絵巻物をアニメのように動かして楽しむ体験を行った。

 最後に、子どもたちの代表3人から仕事に対して質問があると、「私の仕事は私自身が作ったので、まだ日本では私しかいない。色を再現したい日本美術はまだまだあるので、再現することで日本美術を世界に発信していきたい。この仕事は『新しいこと』と『守っていかなければならないこと』の両面があるので、誇りを持って頑張っていきたい」と話した。

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