千葉県の無形民俗文化財指定「下総三山の七年祭り」の大祭が10月31日~11月2日、二宮神社(船橋市三山5)を中心とした三山地区で行われ、1日には9つの神社のみこしが集結する祭りの最大の見せ場「安産御礼大祭」が行われた。
同祭りは近隣の各神社を親戚に見立てて安産祈願と出産、そのお礼を行うもの。子安神社、子守神社、三代王神社(千葉市花川区)菊田神社、大宮大原神社(習志野市)、時平神社、高津比神社(八千代市)と、八王子神社(船橋市)が二宮神社に集まり執り行う。室町時代から続いており、かぞえで7年(実質6年)ごとに開催している。
この日、早朝から各社のみこしが三山に向けて出発。昔は神社からみこしを担いで三山入りしたというが、現在は山車に積み込み近くまで移動している。
三山に到着した各社のみこしは「神揃場」に一時安置される。関係者以外立ち入り禁止の同所周辺には、多くの見物客が溢(あふ)れていた。9基のみこしが安置される場所は決まっており、それぞれ「オツカ」と呼ばれる台座が用意。この日は最大で4基が同時に安置された。
各社のみこしは、順に約1時間かけながら、二宮神社に昇殿。昔は二宮神社のご祭神に会うため子安神社のみこし1社のみが昇殿していたが、昭和30年代の七年祭りの際に各社も昇殿したことにより毎回順番に行われるようになったという。
順に二宮神社の境内でみこしをもみ込み昇殿参拝をすると、次のみこしが参拝している間もみこしのもみ込みが続く。昇殿参拝が終わると演芸会が実施され、その後、幕張町1丁目の公園で2日未明、安産を祈願する「磯出祭」が関係者のみで行われた。
初めて同祭りを見たという40代男性は、「町をあげての大きな祭りにまず驚いた。迫力あるみこしが間近に迫ってびっくりした」と話した。