船橋市と野村不動産(東京都新宿区)がフランス政府住宅・持続的居住省が推進する「エコカルティエ認証」(環境配慮型地区認証)を取得したことを受け、船橋市役所で12月13日、記者会見が行われた。
会見には松戸徹市長、大石智弘建設局長、中村亨都市計画部長が出席。フランス国外では世界初となる認証取得の報告に報道数社が集まった。
フランス政府は2012年から、住宅・持続的居住省が推進する「エコカルティエ認証」(環境配慮型地区認証)を持続可能な街づくりに対して与えており、2015年からフランス国外でも共通の理念を共有するため、国外におけるエコカルティエ認証制度の適用を行うようになった。その中で、船橋市はフランス国外初のエコカルティエ認証を取得した。
取得したエリアは、東武アーバンパークライン・新船橋駅周辺の「ふなばし森のシティ」。事業主は三菱商事と野村不動産で、2014年7月に全体竣工した。船橋市と2社の取り組みにより、総合的な街づくりが行われ、敷地合計面積は約3万4000坪。イオンモール敷地も入れると約5万3000坪となる。分譲マンション1497戸、戸建て住宅42戸の約4400人が居住し、イオンモール船橋、スーパーマーケットや病院、子育て支援施設などが入る。
街では、空間やエネルギーを共同利用した、環境配慮型の街づくりが取り組まれているほか、住民が主体的に街づくりに参加している。各住戸には電力使用量が表示されるパネルも設置。使用量を見えるようにすることで節電の意識を高める工夫や、使うほど電気料金単価が高くなる仕組みの料金体系を導入するなど、エネルギーマネジメントシステムが取り入れられている。
今回認証された「ふなばし森のシティ」プロジェクトは、約1年にわたり調査が行われた結果、エコカルティエ認証の認定基準を全て満たしていると判断され認証取得に至った。中でも、「約2年で自治会が組織され、住民参加型の街づくりが積極的に行われ、周りの地域との交流もあるところが高評価だった」と松戸市長。フランス国内でもコミュニティーをどのように形成していくかが重要とされているという。
「今回の認証は、船橋市の街づくりの方向性が確認でき、とても意味のあること。今後の地区計画に向けての大きなステップの一つになると思う」と松戸市長は話す。