海の安全や豊漁を祈願する「水神祭(すいじんさい)」が4月3日、晴天に恵まれた船橋漁港で盛大に開かれた。
船を普段は見ることのできない特別な並べ方で港に係留(関連画像)
水神祭は船橋漁業協同組合が主催。大漁旗を掲げ、普段は見ることのできない特別な並べ方で港に船を係留。その船上で神事が執り行われた。
神事は、江戸時代から伝わるという雅楽の奏上と4つの舞から成る。装束姿で鈴を持った踊り手が舞台を清める「巫女舞」、神さまを舞台へ案内する「猿田舞」、ふたりの神が途中で入れ替わる「恵比寿舞(蛭子舞)」、青鬼と山の神の鍾馗(しょうき)が踊る「山神舞」。
鍾馗が青鬼を追い払い平和になると、それを祝い、豊漁を祈って船上から招待客たちが紅白の餅を景気よくどんどんまく。見物客たちは、大人も子どももご利益のある餅を拾おうと奮闘。「今年は関係先に配るものも含めて7000個の餅を用意した」と組合担当者、大塚みり子さん。
水神祭の神楽は、船橋市の指定文化財(無形民俗)で大神宮楽部の人たちが伝承してきた。「今は40代の氏子10人が所属しており、催事に合わせ大神宮の舞殿で練習を重ねている」と楽部長の石井信生さん。
東船橋から来たという60代の女性は「ここ数年、天気に恵まれなかったが、今日は最高。餅も拾えたからいい年になる」と喜んでいた。「初めて見たが、私たちも子どもたちも楽しかった」と上山町から2人の孫を連れてきた年配夫婦は笑顔で話した。