市内中学校の制服をリサイクルする活動「ふなばし制服バンク」が現在、新年度に向けて活動を活発にしている。
「制服バンク」とは、船橋市内の全公立中学校を対象として、不要になった中学校指定の制服や体操服、通学カバン、上履きなどを回収し、必要な人に実費のみの価格で譲渡するという取り組み。
発案者の及川恵さんは、訪問介護や高齢者施設給食等幅広い事業を行っている「ワーカーズコープちば」(船橋市高根台6)に所属し、事業の一つとしてこども食堂「おむすび食堂」も運営している。昨年の秋、おむすび食堂の利用者が「中学校の制服が高くて、誰か譲ってくれる人がいれば助かる」という声を聞いたのが制服バンクを始めたきっかけだという。及川さん自身の子どもも中学入学を控えていたことから、制服について詳しく調べたところ、「値段も高くてクレジットカードも使えない店舗もあり、正直驚いた」という。
地域につながりがある家庭は譲ってもらうなどができる場合もあるが、地域につながりがなく情報も持っていない家庭は難しい。「リサイクルの制服を全ての人が平等に当たり前に利用できるような取り組みをしたい」と4月に活動を始めた。
市内数カ所の拠点で回収後、制服はクリーニングに出し、制服や体操服などに刺しゅうされた氏名は地域住民のボランティアによって外す作業を行う。リサイクル品は学ラン(3,500円)、ズボン(2,000円)、スカート(2,500円)、カバン(500円)などを用意し、定価の10分の1程度の価格で販売している。
今後について、「市外からの問い合わせもあるほど反響はあるが、まだまだ認知度が低いのが現状。必要な人にリサイクル制服が届くように、さらに活動の場を広げていきたい」と話す。
回収場所は、高根台団地自治会事務所(高根台1)、コミュニティサロンあまやどり、ケア・サービス虹、ワーカーズコープちば(以上、高根台6)、子ども食堂こっこ(本町1)、キタナラ子ども食堂(習志野台5)。今後はさらに拡大予定。問い合わせはふなばし制服バンク(TEL 047-467-4920)まで。