角野栄子さんの国際アンデルセン受賞記念講演会「本のページは魔法の扉」が10月28日、船橋市中央公民館(船橋市本町2)で開催された。
主催は船橋市図書館。角野さんは、船橋市文学賞児童文学部門の選者を務め、ふなばしアンデルセン公園の子ども美術館監修にも尽力。船橋市に多大な貢献をしたことから、同講演会開催に至った。
国際アンデルセン賞は1956(昭和31)年に開設され、「児童文学への永続的な寄与」に対し表彰する国際的な賞で、その影響力から「小さなノーベル賞」とも称される。角野栄子さんは日本人で3人目の受賞者となる。
角野さんは、日本語のオノマトペの豊かさ、自身の生い立ちや夫婦での海外生活と世界旅行のエピソード、学生時代の恩師の助言から始まった「読む人から書く人へ」の作家活動、物語に登場するキャラクターの面白さと作品について話した。
長年のファンである年配の参加者も多かったが、小学生の親子や、「魔女の宅急便」のキキに扮(ふん)した姉妹を連れた家族もいた。
角野さんの処女作である「ルイジンニョ少年、ブラジルをたずねて」(1970年)は、国際アンデルセン賞受賞に伴い、復刻を予定している。代表作に、「小さなおばけ」シリーズ、「魔女の宅急便」シリーズなど、ロングセラーも多数。