船橋市の西浦下水処理場(船橋市西浦1)で下水処分費用の低減を目指し、民間事業者との共同による発電および売電事業が始まった。5月10日には市長らが訪れて起電式を行う。
西浦下水処理場は1976(昭和51)年4月に供用開始した施設。これまで汚水を処理する過程で発生するメタンを主成分とした可燃性のバイオガス(消化ガス)をボイラの燃料として使っていたが、これを燃料として電力固定価格買い取り制度(FIT)を活用した発電事業に組み込むことで、事業収入を得ようという試みを同事業で行う。
電力固定買い取り制度は再生可能エネルギーの普及を目指して始まったもので、再生可能エネルギーでの発電による電気の買い取り価格を国が法律で保証する制度。
今回の事業では、2020年まで、39円/キロワットでの買い取りが約束されるという。今回の事業で得られる発電量は約432万キロワット時/年で、売電によって得られる市の収益は年間4,270万円を見込む。
事業主体は船橋バイオマスエナジー。出資者は西原環境(東京都港区)。数社のプロポーザルによって事業者の選定が行われ決定した。船橋市内に登記した特別目的会社を設立し、2017年から2019年3月にかけて消化槽設備の一部改修、発電機などの整備工事が行われ2019年4月に入って事業が始まった。
同処理場担当者によると、こうした民間事業者とのコラボによる売電の取り組みは千葉市南部浄化センターに継いで県内2例目だという。今回の発電設備に関する建設費用などは民間事業者の負担。市は売電による売り上げのほかに土地の占有料も徴収している。