ナシ農家「芳蔵(よしぞう)園」(船橋市二和東2)がキッチンカーを製作・購入し、2月7日、同園所有のキッチンカーでは初となる出店販売を行った。
船橋市内梨農家「芳蔵園」の嫁が新事業 キッチンカーで県内農家の加工品販売
同園では昨年、キッチンカー事業を立ち上げた。屋号は「From Farm(フロムファーム)」。事業を立ち上げたのは同園に嫁いだ加納智恵さん。智恵さんが代表を務め、妹の希穂さん、2人の母・知弥子さんと共にキッチンカー事業を営む。
「千葉県内の農家が作る加工品を、こちらからいろいろな場所に売りに行けるアンテナショップのようなキッチンカーを目指したい」と智恵さん。これまではキッチンカーをレンタルして活動していたが、念願だった自身のキッチンカーを昨年末に購入した。
キッチンカーの内装はユーチューブを見ながらDIYしたり、知人に手伝ってもらったりしたという。木目調の棚やレンガ風のシートを貼るなど、カフェ風の内装に仕上げた。「これから外装も農家らしい物で飾っていき、キッチンカーと一緒に写真が撮りたくなるような物を考案中」と智恵さん。
キッチンカーでは、旬の作物を使ったものを販売する。現在は、フルーツサンドや「焼き芋サンド」、季節の野菜のポタージュなど。
夫で同園主の加納慶太さんは以前から、農作物のロスや廃棄を少しでも減らしたいとの思いがあり、昨年はクラウドファンディングを立ち上げ、廃棄の対象になってしまうナシを使ったナシのドライフルーツを委託製造。ナシジュースやナシジャムなども商品化した。
「今年はコロナ禍でイチゴ狩りの客も減り、イチゴのロスも多く出てしまうのでは。今は、今年市内で新規就農した『アンデルセンいちご農園』(楠が山町)のイチゴを使った『イチゴのフルーツサンド』を販売している」とも。
「その日にどれぐらいの客数があったのかが分からないので悩むことも多い」と知恵さん。母の知弥子さんは「まだ段取りがうまく行かないこともあるが楽しい」と笑顔を見せる。
「今後はキッチンカーで地域のマンションなどに野菜や加工品を売りに行きたい。フェスにも行ってみたい」と智恵さん。今後の出店情報などは同キッチンカー事業のインスタグラムで発信予定だという。