暮らす・働く

船橋の社会福祉法人、障がいを持つ人たちにワクチン職域接種 他法人からも参加

「とよとみみらい」の多目的室がワクチン接種会場に

「とよとみみらい」の多目的室がワクチン接種会場に

  • 13

  •  

 船橋市北部にある社会福祉法人「大久保学園」(船橋市金堀町)を会場として、船橋市と共同で市内の障がいを持つ人を中心とした新型コロナウイルスのワクチン2回目の集団接種が8月27日以降、4日間にわたって行われる。

[広告]

 大久保学園は、障がいを持つ人の施設入所、生活介護、短期入所、グループホーム、日中一時支援を受け入れる社会福祉法人。同施設だけで200人の受け入れが可能な規模の施設となる。隣接して生活介護、就労継続支援B型の事業所となる「ふなばし工房」、生活介護、就労移行支援、就労継続支援B型の事業所「みらい工芸館」も備え、工房と工芸館を合わせて80人を受け入れる。

 そのほか、同法人は大神保町で生活介護と自立訓練の事業所を運営する「船橋市光風みどり園」の指定管理者でもあり、1971(昭和46)年から、障がいを持つ人たちがその人らしく暮らすための支援を続けている。今年6月、7代理事長に千日(せんにち)清さんが就いた。千日さんは千葉県知的障害者福祉協会の副会長兼事務局長も務める。

 新型コロナウイルスの感染拡大から一刻も早く同園の利用者や職員にワクチンを接種してほしいと願った千日さんは、ある日、報道で「職域接種」の枠で航空会社の従業員らがワクチンを独自に接種したという情報を得て、「自分たちも、これに応募してみよう」と動いた。

 千日さんは「障がいを持つ人の多くが医療に対してとても恐怖心を抱いている。障がいを持つ人たちが注射を受けるのは、なかなか大変なこと。市の集団接種会場で一般の人たちに混じって受けるのは、そこに行くことも含めて、かなり難しい。だが、自分たちの園で、いつもの看護師や職員が側にいながらであれば、まだ受けやすいのではないかと思った」と振り返る。

 職域接種に応募した結果、1500人分のワクチンが確保できた同法人。しかし「1500人分の応募数だったが、我々の法人内各事業所単位での接種も進んできたことから数が余ってしまう。これではもったいないので、市に相談し、せっかくだから市内のほかの障がい者を受け入れている法人に声を掛けてもらい、希望する方には、ここを会場として接種してもらえたら、と市に提案した」と千日さん。

 船橋市としても集団接種会場に障がい者用の枠を設けられないかなど、さまざまな方法を検討していた矢先の千日さんからの提案だったため、すぐに合意。船橋市障害福祉課から市内の各社会福祉法人に連絡をしたところ、「市内各所約30の法人から参加したいという返事があった」と障害福祉課の樋口晋也さんは話す。

 1回目のワクチンは7月25日に実施。医師は同法人が独自に依頼し、高木医院(本町2)の高木恒雄医師をはじめ、法人産業医、浦安市から1人の医師が協力来園し、診察したという。接種会場は、同法人が運営する短期入所を受け入れる複合型施設「とよとみみらい」(豊富町)のホール。受け付けは船橋市障害福祉課が担当し、法人内の看護師も立ち会い、無事に接種が完了した。

 千日さんは「こうした動きが市内の各エリアで起きれば、ワクチン接種に困っている障がいを持つ人や家庭の方も行きやすくなるのでは」と話す。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース