地元の優れた新製品をたたえる「船橋市ものづくりグランプリ」の認定式が10月4日、市役所で行われ、市内に本社を構える船橋総行(船橋市高瀬町)が製造する「EVロータリーシステム」が認定された。
同グランプリは、市内の中小企業者が生産する優れた新製品の普及を目指し、市が定める基準を満たす製品を市が認定し、販路開拓を支援することを目的に2016(平成28)年度に始まった。
当日は同社社長の二宮正さん、EVロータリー戦略室の国土俊秀さんが出席した。同社はOA機器販売が主な業務だが、二宮さんのアイデアで「EVロータリーシステム」を考案、開発に約2年を費やし、2017(平成29)年12月に国内特許を申請、2018(平成30)年6月に製品を作りモニタリングを始めた。
EVロータリーシステムは、EV(電気自動車)、PHV(プラグインハイブリット車)の充電を、低コストで集合住宅や定期契約の駐車場などに整備することができる「EVロータリー駐車場充電システム」のこと。
「EVやPHVが増えていく中で、充電設備が整っていない場合が多いことから、より簡単で効率的に充電できる充電設備が必要と感じた」と二宮さん。同システムは電力会社からの供給電力を、タイマーを利用した切り替えスイッチで数台のグループごとに振り分けることで、電力を増強することなく複数台の電気自動車への充電が可能になる。20A(契約200KW)で通常12台のところ、同システムを使えば3倍の36台の充電ができるという。同システムは、千葉市にあるマンションに既に126台分設置され、今後もマンションや事業所に整備していく予定。
「船橋発のこのシステムを県・全国へ普及させていきたい。製品はほぼ完成しているので、今後は使いやすくすることがポイント」と二宮さん。
松戸徹市長は「電気自動車が普及する中で、早くから二宮さんは問題に取り組まれていた。時代を見据えた開発技術をシステム化したところが素晴らしい。優れた技術が船橋にあることを、社会に広めていきたい」と期待を込める。