船橋市出身の後藤仁美さんが10月7日、東京2020パラリンピック閉会式出場の報告に船橋市役所を訪れた。
国立競技場で9月5日に行われた閉会式のオープニングのパートに、後藤さんはピンクの髪と色鮮やかな衣装で出演し、高所にあるリフターステージで立った状態でドラムパフォーマンスを披露した。
後藤さんは身長や手足が伸びない先天性の難病「軟骨無形成症」で、身長115センチの「小さなモデル」として活動するほか、俳優やイラストレーターなど幅広い分野で活躍している。
後藤さんの母親がピアノ教室を開いていることから音楽にはなじみがあり、母親の勧めで10歳の時にドラムを始めたという。高校時代にはバンドでドラムを担当し、「小さいのでドラムに埋もれる感じになるが、それが面白いなと思って。一番できなさそうな楽器なので驚かれることも多いが、驚かれるのも好き」と話す。
「制服を着ている時はじろじろ見られて嫌な気持ちになったこともあったが、大人になってからはどうせ目立つならもっと目立ってもいいのではと思うようになり、自分の好きなファッションを楽しんでいる」とも。
軟骨無形成症について、低身長やありのままの自分のことを広く知ってもらいたいとの思いで、10年前からブログを発信しているという。「閉会式では、健常者も障がい者も一緒にパフォーマンスをしていたので、障がいがあるかないかは分からない状態だった。それが世界の本来のあり方だと思った。今回の閉会式に出たことだけで終わらせるのではなく、情報を発信しながら、当たり前の存在としてテレビや映画にも出られるようになりたい」と今後の目標について話す。
松戸徹市長は「パラリンピックでは、競技も素晴らしかったし、開会式も閉会式もみんなが共感して、海外でも高い評価を得たと聞いている。後藤さんのパワフルなドラム演奏の姿も印象的だった。船橋は音楽の街でもあるので、また船橋でも演奏を聴きたい。これからの活躍を期待している」と話した。
後藤さんは、東京2020大会の文化プログラム「東京2020 NIPPONフェスティバル」主催プログラムの一つ、「共生社会の実現に向けて」をテーマとした映像作品「MAZEKOZEアイランドツアー」に出演、現在配信中(終了時期は未定)。