東武アーバンパークライン新船橋駅に隣接する「イオンモール船橋」(船橋市山手1)で3月3日、高根神明社神楽連による神楽の公演と、日本の伝統をテーマとしたハンドメードマルシェ「トラディショナルマーケット」が同時開催された。
同施設が主催し、市内を中心にさまざまなイベントを展開する「Mamachi(ママチ)」が運営した。「地域の伝統文化の周知と継続に貢献したい」という同施設の思いの下、一人でも多くの子どもたちに神楽を知ってもらうため、ファミリー層がよく訪れる場所で日本の伝統に触れる機会の提供が今回、初めて実現した。
当日披露された高根町神明社の神楽は、船橋市の無形文化財にも指定されている。迫力ある演舞に、会場は大きな拍手に包まれた。
高根神明社神楽連代表の持井大輔さんは「商業施設での神楽の奉納は初めての経験。伝統という言葉が薄れてきている昨今、高根神明社神楽連では代々引き継ぐことができる伝統があることに意味を感じている。だからこそ、今の子どもたちにも楽しんでもらい、引き継いでもらえれば」と話す。
神楽の舞台横で開催されたトラディショナルマーケットには、着物や帯をリメークしたバッグや小物、瓦で作ったアクセサリーなどを販売する16店が並んだ。親子で参加できる「水引ワークショップ」などの体験型のブースもあり、子どもから大人まで多くの来場客でにぎわった。
同施設担当者は「想像以上にたくさんの方に来場いただけた。神楽の公演は初の試みだったが、多くの人たちの協力で実現することができた。すてきな演舞を披露してくれた神楽連の皆さんにも感謝したい」と話す。
保護者と一緒に神楽を鑑賞した高根小学校に通う女児からは「猿田彦という演目を鑑賞した。授業で以前習ったことがあり、振りを完璧に覚えていたので、椅子に座りながら一緒に踊ることができた。地元の神楽には親しみがあり、いつもは目線より高いところで披露される神楽を間近で見ることができ、とても楽しかった」という感想が聞かれた。