船橋市内で栽培されたシャインマスカットの品評会「ふなばしシャインマスカットグランプリ」が9月10日、「JAいちかわ船橋経済センター」(船橋市豊富町)で初開催された。
「ふなばしシャインマスカットグランプリ」初開催、市内農家12軒が出品
主催は、船橋市内でブドウ栽培に取り組む有志農家グループ「船橋ぶどうの会」。10年ほど前に発足した同会は、栽培の共同研究や技術共有、情報交換などを行っている。
会長の加納昌弘さん(加納梨園)は「シャインマスカットを栽培しているのは全て梨農家」と明かし、「育てやすさや、梨と並行して栽培ができることなどを理由に、シャインマスカット栽培に挑戦する農家が増えた。会のメンバーで何度も話し合い、品評会を開くことになった」と経緯を話す。「ブドウといえば山梨や岡山が有名だが、船橋のシャインマスカットも名産地に負けない粒の大きさと糖度の高さが特徴」とも。
品評会には出品者兼審査員として12軒の農家が参加。1年かけて育てたシャインマスカットを2房ずつ出品し、会場には計24房が並んだ。一次審査では、見た目の良さを比べる「外見審査」、種の有無を調べる「無核化審査」、糖度を測る「糖度審査」を実施。続いて上位3位について、おいしさを審査する「食味審査」を行い、順位を決めた。審査前は和やかに談笑していた農園主たちも、審査が始まると真剣な表情で24房のシャインマスカットを吟味し、採点を進めた。
審査の結果、第1回グランプリには「大健園」(大穴)の齋藤英隆さんが選ばれた。齋藤さんは「率直にうれしい。粒の入り方など満足のいかないところもあったので、会のメンバーと情報交換しながら、より良いものを作っていきたい」と意欲を見せた。
品評会で余ったシャインマスカットは、「フードバンクふなばし」(金杉5)や子ども食堂の「こども縁日」に持ち込み、市内の子ども食堂や児童福祉施設などに提供する。
「今年は初回ということで、自分たちの作ったものを自分たちで評価してみることにした。来年はもっと面白く盛り上がるように審査方法を変える予定」と加納さん。「船橋といえば梨というイメージだが、シャインマスカットも一緒に楽しんでもらえたら」と呼びかける。