北習志野駅と高根台団地の中間辺りの住宅街一角に「カフェコッソリ」(船橋市高根台4)がオープンして、10月26日で1カ月がたつ。店頭には、「ひきこもりが本気で心と向き合ったらこんな社会貢献のお店ができました」と書かれた看板を掲げる。
ビーガン対応で動物性タンパクゼロのキーマカレー=船橋・高根台に「カフェコッソリ」 ひきこもりの過去を持つスタッフで運営
店主の山田賢明さんは日中、一時支援事業所「ララホーム」(前原西1)を経営し、カフェは別会社で運営する。店名は当初、「共に」という意味の「Co」、香味野菜の料理ベースになる「Soffritto」から成る「Co Soffritto(コ・ソフリット)」を候補として考えた。「この場所(ベース)から共に成長していこう、可能性を広げていこうという思い」を込める。しかし、「それでは読めないと思ったので、『コッソリ』と名付けた」と言う。
「あえてスタッフの皆がひきこもりだった過去を前面に出すことで、『前向きなチャレンジを応援したい』『彼らのチャレンジに勇気づけられてほしい』という願いがある」と山田さん。スタッフ全員が当事者か元当事者だという。
店舗面積は約17坪。大きな壁一面がパステルカラーの水色になっているチョークボードを配置し、落書きスペースとして子どもたちに開放する。
フードメニューはビーガン対応のソイミートのキーマカレーほか、ライスプレート、スーププレート、ペンネプレートなど(以上800円)は日替わりで提供。カボチャのガトーショコラ(420円)をはじめ、ケーキやマフィン、ゼリーなど全て店で手作りしたスイーツは13種類(280円~420円)を用意する。ドリンクメニューは、コーヒー、エスプレッソ(以上400円)、コーヒーソーダ(450円)、オレンジエスプレッソ、カフェラテ(以上500円)に加え、オーガニック紅茶(400円)なども。
「障害を抱えた過去があるが、福祉作業所ではない。通常の飲食店として営業することに意味がある」と山田さん。
カフェ経営の着想は7年前、店長の山中希望(のぞみ)さんがララホーム職員志望の面接を受けに来た際に聞いた山中さんの将来の夢と、山田さんの夢を重ねたことから生まれた。山中さんは精神疾患を患っていた元当事者でもあり、入社後、「カフェ経営が現実的な目標になった」という。
過去に統合失調症を抱えていたスタッフの川奈部大樹さんはララホームの利用者でもある。ある時出合ったラテアートに魅せられ研究。カフェ各店でのラテアートを提供したり、ワークショップを開催したりするなどして経験を積んだ。
山田さんは「毎日子ども食堂を開きたい」との思いから、「タダ飯サポーター制度」を発案。サポーターが購入した食事券を店頭にぶら下げ、その券を使って無料で子どもが食事できる仕組みも導入している。
営業時間は8時~15時。水曜・日曜定休。