
船橋市内の梨園では4月初旬から徐々に梨の花が開花し、現在、梨の花の交配作業がピークを迎えている。
毎年、桜の花見シーズンが終わる頃に繁忙期となる交配作業。市内の梨農家では、多くの農家が手作業で花粉交配作業を行っている。手作業以外には蜂を媒介に使うケースもある。
雨天の合間となった4月12日、作業をしていた「船芳園」(船橋市二和東2)園主の加納芳光さんは「今年も開花は順調。3月に温かい日が続いた後にまた寒くなったので、交配のタイミングは昨年とほぼ同じ。このままいけば収穫時期も昨年と同じくらいになるのでは」と話す。昨年は7月下旬から徐々に「幸水」の出荷が始まった。
同園では、毎年作業を手伝ってもらっている近隣住民が今年も集まり、園内に咲き誇る梨の花一つ一つに交配作業を行った。
昨年との違いについて、加納さんは「近年、温暖化などで特に『新高』の管理が難しくなっていたこともあり、私の園では昨年、『新高』の木を全部抜き新しい品種を育てている」と話す。
加納さんによると、「新高」の品種は特に皮が焼けやすい傾向にあり、近年、日差しが強かったり温暖化の影響などがあったりして、実がなっても「焼け」を防ぐための手間がかかっていたという。「幸水」「豊水」に比べて需要が低いこともあり、近年では「新高」の代わりに別の品種を扱う農家が増えているという。
「近年は梨の品種もたくさん出ている。当園では『トーキョーEllie(エリー)』『秋のほほえみ』などの品種も育てている。梨の時期には直売所を訪れて、ぜひいろいろな品種を味わってもらえれば」と加納さんは呼びかける。