船橋漁港近くの鮮魚卸売事業・海光物産(船橋市湊町3)とおやつカンパニー(三重県津市)が10月27日、連携して開発したスナック菓子「素材市場 さかなのスナック コノシロ(香ばし醤油薫る、竜田揚げ味)」を発売した。
低利用魚「コノシロ」を活用した同商品。骨が多く敬遠されがちなコノシロを素材として活用したもので、魚由来のたんぱく質やカルシウム、DHAなどを含む。従来は加工・販売が難しかった魚を手軽に味わえる形にすることで、魚食文化の再興と資源の有効活用を目指す取り組みとなる。
海光物産社長の大野和彦さんによると、今回の連携は水産庁が制定した「さかなの日」(毎月3~7日)の賛同企業同士による懇親会をきっかけに実現したという。「東京湾のコノシロは脂がのっていておいしい。だが小骨の多さから市場価値が低く、もったいない存在だった」と大野さん。
構想から商品化までには約2年を要したという。初期は魚好き向けの濃い味付けで試作したが、より幅広い層、特に子どもたちにも受け入れられる味として竜田揚げ風の香ばしいしょうゆ味に落ち着いた。開発中は、おやつカンパニーの担当者が何度も現地を訪れ、三番瀬の環境や魚の特性について理解を深めたという。
商品は「素材市場」シリーズの一環で販売。「さかなの日」は11月3日~7日を特に「いいさかなの日」と呼び、発売はこのタイミングに合わせたという。販売初日からSNSなどで反響があり、店によっては品薄となる状況も見られているという。
大野さんは「子どもたちにも、地元の魚を楽しく食べてもらえるきっかけになればうれしい」と期待を込める。将来的には教育機関との連携や食育活動への展開も検討している。
内容量61グラムで、価格は152円前後。全国のイオンやローソンなどで扱う。