リリース発行企業:株式会社 山田養蜂場
株式会社山田養蜂場(所在地:岡山県苫田郡鏡野町、代表:山田英生)は、2024年11月に開催された「第34回 日本医療薬学会年会」(於:幕張メッセ 他)におけるシンポジウムにて、「サプリメントと医薬品の飲み合わせデータベース構築と顧客対応サービス」をテーマに講演を行いました。
登壇したのは当社 R&D本部 生田智樹主幹研究員(薬学博士)で、この講演では、300人を超える薬剤師などの医療従事者を含む聴講者とともに、消費者の求める薬と健康食品の相互作用に関する情報について、あるべき姿を議論しました。
■1.超高齢社会における高齢者の服薬率は上昇の一途
総人口に占める65歳以上人口の割合の推移をみると、1950年の4.9%以降一貫して上昇が続いており、2005年に20%を超え、2024年は29.3%と過去最高を更新しました。(総務省調べ、2024年9月)
一方で、慢性疾患を複数抱える高齢者は増加しており、年齢が上がるにつれて薬の服薬率や服用する薬の種類が増える傾向がみられることから、薬の飲みすぎや飲み忘れ、飲み合わせなどの管理は重要な課題となっています。(NPO法人高齢社会を良くする女性の会)
■2.薬と健康食品の飲み合わせに関する潜在ニーズの高まり
日本では2015年より機能性表示食品制度が始まり、健康食品を利用する人も増加しています。高齢者においても同様であり、2019年国民生活基礎調査では、60-69歳の男性は28.1%、女性は35.1%が健康食品を利用している、と報告されています。これらの状況から、潜在的に薬と健康食品の飲み合わせの案内が必要な高齢者が増加し、企業も対応が求められるようになっています。
■3.約30,000件の医薬品と健康食品素材の飲み合わせ判定10,000件を超えるデータベースの構築とお客様対応サービス
一部の食品成分は薬の作用を高めたり、弱めたり影響を及ぼすことが報告されています。当社では、健康食品素材が薬の作用に影響を及ぼすか、一つ一つ調査・検証し、併用して問題がないか判定できるデータベースを構築しました。ミツバチ産品素材からスタートし、お客様の飲用状況を考慮して他社の扱う健康食品素材まで範囲を広げ、2024年12月現在、判定件数は10,000件を超えるまでになっています。
2011年、お電話でのサービスを開始し、2014年からはWEB上で簡易に判定できるシステム「薬と健康食品の飲み合わせご案内サービス」も公開しています。約14年間で8万件を超えるお問い合わせに対応してきました。
■4.薬と健康食品の飲み合わせに関する一般消費者の認識の低さに対する問題提起と普及活動
2017年、当社は一般消費者(20~70代の男女、2,050人)に対して、アンケート調査を行いました。その結果、84.8%の方が薬と健康食品の飲み合わせについて「心配していない」と回答し、中でも「よくわからないが心配していない」と回答した方が55.2%にも昇ることが示され、一般消費者の危機意識が非常に希薄であることが浮き彫りとなりました。また、健康食品会社の提供する飲み合わせ情報サービスがあれば利用したいと思うか?という問いに対しては、64.9%の人が「利用したい」と回答しました(YAKUGAKU ZASSHI 139, 1463-1470 (2019))。
このアンケート調査から、データベースの拡充だけでなく、一般消費者の意識を高める普及活動も必要であることが示され、以降、新聞広告などを通して普及して参りました。今回、一般消費者と医療の懸け橋となる薬剤師、薬学研究者が集まる日本医療薬学会にて講演する機会をいただき、相談者の傾向や実際の対応事例などを紹介いたしました。聴講者からは、飲み合わせ情報の収集方法や、実際の医療現場で困っていることなど、様々な質問が飛び交い、本活動を継続していくことや、医療現場と相互に情報共有することの重要性が認識されました。
【まとめ】
今回のシンポジウムでの発表では、薬と健康食品の飲み合わせデータベースに関して薬剤師や薬学研究者と活発な意見交換を通して、本データベースに対する注目度の高さを実感し、医療従事者に向けた飲み合わせ情報の発信など、重要な役割が企業に属する薬剤師に求められていることがわかりました。
今後、飲み合わせデータベースを常に最新情報に更新することに加え、医療従事者との情報交流によってより充実したデータベースへと拡充し、これまで以上に消費者に役立つサービスを目指します。
引き続き当社は、予防医学の観点から、お客さま一人ひとりの健康寿命の延伸を目指して、社会に貢献してまいります。