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アンデルセン公園で廃材を使った実寸大の動物アート展 加治聖哉さん初個展

笑顔を見せる加治さんと特にお気に入りの作品「白狼」

笑顔を見せる加治さんと特にお気に入りの作品「白狼」

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 ふなばしアンデルセン公園(船橋市金堀町)の子ども美術館で5月24日、企画展「廃材再生師加治聖哉-いのちを吹き込む-」が始まった。

「午(うま)」のたてがみには、かんなくずを使用

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 同展は、木の廃材を素材として、動物などをかたどったアート作品を制作するアーティスト・加治聖哉さんの初個展。「陸」「海」「空」をテーマに、ホオジロザメやヘビクイワシなど実寸大の動物作品を展示し、自然界のつながりをほうふつとさせる構成となっている。加治さんの作品は、「生命を宿したかのように生き生きとした造形」が特徴。

 加治さんは新潟県村上市出身。現在は長岡市栃尾町に住み、町内にアトリエを構え作品を作っている。廃材を使おうと思ったきっかけは、長岡造形大学在学中に建築学科の学生が課題製作後、端材を次々とコンテナに投げ込み廃棄したのを見て「もったいない」と思ったことだという。

 加治さんの作品は、家の外壁板や木工玩具の廃材のほか、コルクや角材などで形作られている。図鑑や動物園で実物を観察し、骨格から組み立て、毛並みや動きを再現。作品の一つである「鰯(いわし)」の胴体部分は、長岡市の機織り工場で使われていた糸巻きの軸で作る。

 加治さんは「もともと自動車や飛行機などの機械類よりも、自分で考えて動いている動物が好きだった。作っていて楽しく、見る人にも喜んでもらえる。毎年、干支(えと)も作っている」と話す。廃材の色や形を生かした躍動感ある作品は「使われなくなったものにも、まだ『命』は宿せる」というメッセージとともに、環境や命の大切さを問いかける。

 同館の芸術美術指導チーフ・柴田孝利さんは「子どもたちにとって素晴らしい展示を用意したかった。ぜひ楽しんでもらえたら」と話した。

 加治さんは「難しく考えず、まずは楽しんで見てほしい。その後で、どんな素材が使われているのかなど、作品をかみ砕き、廃材の可能性を考えてもらえたら」と話す。「子どもたちには作品と一緒に、たくさん写真を撮ってほしい」とも。

 入館にはふなばしアンデルセン公園の入園料が必要。開催時間と休館日はアンデルセン公園の営業日時に準ずる。7月27日まで。

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